経理業務の効率化、自動化ソフト開発のブラックライン(古濱淑子社長)が、販売チャネルを着々と開拓している。主力製品の「BlackLine」の販売に当たって、当初はSAPのERP製品の販売パートナーを軸としていたが、日本法人の営業開始から1年余りが経過した現在では、他社ERPの販社やデータ連携ツールベンダー、監査法人などに販売チャネルの幅を拡大。直近では、ERPとの連携ツール「DataSpider」シリーズを開発するセゾン情報システムズとの協業を発表している。

古濱淑子 社長

 月末や期末に人海戦術の力技で業務を処理することが多いとされる経理業務は、「販売管理や営業支援などのフロント分野に比べて効率化が遅れている分野」(古濱社長)と指摘。多くのユーザー企業で、繁忙期の作業量のピーク部分をいかに削減するかという共通の課題があることから、「幅広いERP商材の付加価値ツールとして、多くのSIerに売ってもらえるようになった」と話す。

 また、繁忙期に業務が集中するのは監査法人でも同じで、監査法人からユーザー企業にBlackLineを紹介してもらえるケースも増えている。ユーザー企業、監査法人双方でBlackLineを使えば、自動化による経理業務の平準化に加え、ソフト上で情報共有を行ったり、オンラインで履歴を参照するなどの業務効率化が可能になる。経理業務に詳しいSIerや監査法人を通じて、「経理の現場で長く使い続けられるよう定着支援を手厚くする」(古濱社長)ことで販売を加速させていく。

 BlackLineは、銀行の経理業務で残高照合に時間がかかっていたのを見た創業者のテリース・タッカー氏が、残高照合を自動化するソフトをつくったのが始まり。経理業務に特化し「ニッチだが分かりやすいコンセプトや使い勝手のよさ」(古濱社長)が評価され、直近では世界で3000社を超えるユーザーがSaaS方式で利用している。(安藤章司)