政府は4月7日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急経済対策の一環として、「IT導入補助金」の拡充を含む2020年度補正予算案を閣議決定した。補助率・補助対象を拡大した「特別枠」を設け、中小企業におけるテレワーク環境の早期導入を促す。

 中小企業を対象にしたIT導入補助金は、経済産業省の「サービス等生産性向上IT導入支援事業」として17年度(16年度補正予算)以降毎年行われているが、今回の特別枠は、19年度補正予算で既に実施が決定している内容とは別枠。従業員向けのテレワーク環境の導入のほか、非対面・遠隔型ビジネスへの転換、サプライチェーン毀損下での製品供給継続を目的としたIT投資が対象で、従来に比べ補助の拡充や条件の緩和が行われている。

 具体的には、これまで導入費用の2分の1としていた補助率を3分の2に引き上げたほか、通常枠ではソフトウェアの購入と導入関連費用のみが補助の対象だったところ、今回の特別枠ではハードウェア(PCやタブレット端末など)のレンタル費用も対象に加えた。さらに、通常の場合企業は補助金を申請し、交付が決定された後にIT製品を導入する必要があるが、一刻も早いテレワークへの転換を促すため、特別枠では4月7日以降に購入した対象製品であれば、さかのぼって補助金を申請することを認める。

 特別枠の補助金は、今通常国会での20年度補正予算成立をもって実施されるが、申請を準備する企業の便宜を図るため、事務局業務を務めるサービスデザイン推進協議会では、暫定版の公募要項やパンフレットを既にWebサイトで公開している。

 中小企業のテレワーク導入を巡っては、独自の支援策を打ち出す地方自治体もある。例えば東京都は、都内に事業所を置きテレワークを導入する中堅・中小企業や小規模事業者に対し、最大250万円の導入費用を100%助成する。申請は5月12日までとなっており、ITベンダー側には諸制度を正しく理解しスピーディな提案を行うスキルも求められそうだ。(日高 彰)

※5月14日追記:記事中にある東京都のテレワーク助成金の締切日は、5月12日から6月1日に延長されました。