業務ソフトメーカー大手のピー・シー・エー(PCA)は8月5日、パートナー向けのイベント「PCA Partner Forum(PPF) 2020」をオンラインで開催した。今年度(20年3月期)の方針として、パートナーと連携し、ストックビジネスのさらなる強化を目指すと説明した。

佐藤文昭 社長

 冒頭のあいさつで佐藤文昭社長は、今年に入ってから感染が拡大した新型コロナウイルスの影響に触れ「パートナーやユーザー、世の中の事業者にとって、テレワークを取り入れていかなければならない局面になっている。私たちとしては、PCAクラウドを中心にお手伝いをさせてもらいたい」と述べ、クラウド事業の成長に向けてテレワーク需要の取り込みを進める考えを示した。

 PCAは、オンプレミスの製品を月額課金や年額課金で提供するサブスクリプションサービス「PCAサブスク」の提供を7月に開始した。10年以上提供を続けてきたPCAクラウドに加え、PCAサブスクをストックビジネスを支える新たな柱にする考えで、佐藤社長は「PCAクラウドとPCAサブスクで、基幹業務ソフトを活用する経理や人事、総務の皆さまに常に寄り添うことを体現したい」と強調した。

 近年のPCAは、SaaS版業務ソフト製品群の「PCAクラウド」のユーザーを順調に増やす一方で、従来の主力であるオンプレミス版パッケージソフトの新規販売は下落傾向になっており、安定的な売り上げが見込めるストックビジネスを中心とした事業構造への転換を図っている。

 玉井史郎・取締役営業本部長は、グループ全体の売上高のうち、昨年度のストック収入の割合は48%だったとし、本年度の目標を55.8%に設定したと発表。その上で「コロナ禍でニューノーマルと言われている中、ストックビジネスを強化し、パートナーとの協業をさらに強めていきたい」と語った。

 ストックビジネスを強化するため、PCAは今年度、パートナー向けの新しい施策を展開する。伊藤真一郎・戦略企画部部長は「新しい時代のためのスキルを備えることが重要」と呼びかけ、サブスクリプションビジネスを踏まえた認定パートナー制度の準備を進めていると説明。また、現在オフラインで実施しているパートナー向けの認定制度の試験をデジタル化し、7月末からテスト運用を始めたことや、導入指導サービスを申し込めるウェブサイトの立ち上げを予定していることなども紹介した。

 PCAは今月、創立40周年を迎えた。10年後の50周年に向けて、篠﨑洋介・戦略企画部プロダクトマーケティングセンターセンター長は「単に基幹業務ソフトを提供して業務効率化を図って社会貢献するだけでなく、お客様の経営をサポートするマネジメントサポート・カンパニーを目指す」とし、直近3年間で足元の収益を確立させた後、新製品や新サービスの開発に着手する計画を披露した。

 なお、PCAは今年からパートナー向けのイベント「PCAパートナーカンファレンス」と「PCA戦略フォーラム」をPPF 2020に一本化し、東京、大阪、名古屋の3会場で開催する予定だった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から各会場での開催を断念し、オンラインによる開催に変更している。(齋藤秀平)