ピー・シー・エー(PCA、佐藤文昭社長)は5月11日に、オンプレミスの同社製品を月額課金や年額課金で提供する「PCAサブスク」の提供を始める。同社業務ソフト製品群のクラウド版である「PCAクラウド」のユーザーは1万4000法人を超えた。経営を支える柱に成長したPCAクラウドに加えてPCAサブスクを提供することで、サブスクリプション型ビジネスへの移行を加速させる。

篠﨑洋介 センター長

 PCAサブスクは、オンプレ版のPCA製品を初期費用なしの月額契約もしくは年額契約で利用できるサービス。小規模企業向け、中小企業向け、中堅企業向けの各レンジ別に、複数のPCA製品が使い放題になる「コンプリートモデル」もラインアップした。ライセンスの売り切り型から提供形態が変わるだけでなく、機能も強化したという。従来のオンプレ製品にも搭載していた自動アップデート機能を強化し、法改正などに対応したプログラムアップデートやリビジョンアップ、機能改善・修正もリアルタイムに近い形で漏れなく実行できるほか、有償だった「Client-API」も標準搭載する。

 また、PCAのパッケージ製品は、AWSやAzure、IBM Cloud、ニフクラ、BIGLOBEクラウドホスティングなど、パートナーベンダーのパブリッククラウド環境での動作保証をしているが、PCAサブスクも当然、パブリッククラウドのIaaS/PaaSにインストールして使うことができる。同社戦略企画部プロダクトマーケティングセンターの篠﨑洋介・センター長は、「(SaaS版の)PCAクラウドはバックアップを実行するために夜間にサービスを停止する時間があるが、PCAサブスクをパブリッククラウド上で運用することで、24時間365日のクラウド利用が必要なお客様のニーズにも応えられる」として、PCAサブスクがPCAクラウドを補完する役割も担っていることを示唆する。

 パッケージソフトの販売からサービス型にビジネスモデルが移行することで、同社のビジネスを支えてきた販売パートナーに与える影響も大きい。そのため同社は、オンプレ製品でもサブスクリプション型ビジネスを始めることを一昨年秋から周知してきた。篠﨑センター長は「発表当初の反響は大きく、しばらくは他のパートナーの出方を見ながら様子を見ているパートナーも多かったが、現在ではPCAサブスクの拡販に向けて前向きなパートナーがほとんど」だと手応えを語る。特にPCAの商流において大きなプレゼンスがある大手事務機メーカー系販社などとは、時間をかけて販売や導入支援、サポートのスキームを調整してきたという。PCAサブスクのリリースを契機としてパートナーエコシステムの変革をさらに進めることで、既存のサブスクリプション型商材であるPCAクラウドの拡販にもポジティブな影響を与え、同社のビジネス全体をサブスクリプション型にシフトさせていく意向だ。(本多和幸)