ミロク情報サービス(MJS)が、主要顧客である会計事務所の支援を強化している。8月に提供を開始したオンライン完結型の売掛金資金化サービス「anewクラウドファクタリング」はその一環で、会計事務所の顧問先企業の資金繰りを後押しし、顧客の事業を安定させることを目的としている。今後は金融機関とのデータ連携を強化することを計画しており、顧客の顧問先企業の拡大も手助けする方針だ。

 anewクラウドファクタリングは、新生銀行とOLTA(オルタ)が共同で設立したanewが、中小企業や小規模事業者を対象に提供しているサービス。申し込みなどの手続きがインターネット上で完結し、紙の書類や面談が不要な点などが特徴だ。

 MJSは、新型コロナウイルスの感染が拡大して以降、資金調達の支援について検討を開始。新生銀行と資本業務提携を結んでいたことなどから、anewクラウドファクタリングの提供を決めた。
 
近藤憲貴 部長

 MJSの近藤憲貴・新規事業戦略室部長は「会計事務所の市場はシュリンクしており、成長している市場ではない。顧問先の企業が倒産すると、われわれがメインの顧客としている会計事務所の経営が厳しくなる」と危機感を示し、今回のサービス提供では「顧客である会計事務所を守ることを第一の目的としている」と説明する。

 MJSは現在、約8400の会計事務所をユーザーに抱えている。各会計事務所の顧問先企業は計約50万社で、この層をサービスの主なターゲットに設定している。売掛金買い取りの申し込みや与信審査などのファクタリングに関係する業務はanewが担い、MJSは会計事務所への情報提供などでサービスの周知を行う。

 当面は利用企業数の増加を狙うが、その後の展開も視野に入れている。近藤部長は「決算データや銀行の取引明細などanewが審査で必要とする情報は、われわれが提供するシステムから取り込むことができる。将来的にシステム連携を考えており、現在、開発のコストをかけるほどの需要があるかを調査している」と語る。
 
近藤浩史 副本部長

 ほかの金融機関との連携も想定しており、MJSの近藤浩史・製品開発・サポート本部副本部長兼製品企画開発部長は「会計事務所のデータを金融機関に提供する仕組みは、今まではあまりニーズがなかったが、コロナ禍で多くの支援制度が設けられたことでニーズが出てきた」とし、「会計事務所が持っているデータを、融資の審査をする金融機関が見たい形で柔軟に出せるような会計事務所向けのツールの開発を計画している」と説明する。

 その上で「われわれの顧客の会計事務所と金融機関が良好な関係になれば、MJSのシステムを使う会計事務所が融資に強いことをアピールでき、顧問先の拡大につなげていくことが期待できる」と話す。(齋藤秀平)