さくらインターネットの子会社でMSP(マネージドサービスプロバイダー)事業を展開するアイティーエム(河本剛志社長)は、10月にシステム運用監視パッケージ「Managed Live」の提供を開始した。企業における主要なシステムを対象に監視メニューや作業項目をパッケージ化したもので、ITシステムの運用に不慣れな企業でも簡単に導入できるという。新型コロナウイルスの感染拡大により働き方に変化が求められる中、アイティーエムではシステムの運用監視を担うことで、中小企業を中心とした顧客のリモートワーク対応を支援する。

20年のノウハウを凝縮
800社5000ノード以上の実績

 アイティーエムは、20年以上にわたってMSP事業を展開している。その中核となるシステム運用監視サービス「Management Service Library(MSL)」は、オンプレミスからクラウドまで、顧客企業が持つさまざまなシステムの運用監視、障害対応を24時間365日体制で支援。これまでに、約800社5000ノード以上の運用実績を有しているという。
 

 今年10月に提供を開始したManaged Liveは、MSLをより導入しやすく、主要な監視メニューや作業項目に絞ってパッケージ化したものだ。物理のWebサーバー、データベース(DB)サーバー、Web兼DBサーバー、業務サーバーを対象に、死活監視、リソース監視、プロセス監視、TCPポート監視、システムログ監視といった監視項目を用意。同社の監視オペレーターが24時間365日体制でシステムの運用を監視し、障害を検知すると顧客企業にメールか電話で通知するとともに、必要に応じてあらかじめ顧客企業との間で合意した手順を基にOSやプロセスの再起動といった復旧対応を実施する。

 Managed Liveのリリース背景について、同サービスの企画を担当したITソリューション本部の坂下知宏氏は、「MSLを導入する際には、お客様と監視対象の項目や障害時の対応について細かく仕様を決めていく。MSLを利用する中小企業のお客様はいるが、お客様側にもITリテラシーが必要とされる面があり、ITにあまり詳しくないと導入のハードルが高くなるため、そこをもっとわかりやすくしたかった」と説明。また、近年の「働き方改革」の流れに加え、今年に入り新型コロナウイルスの感染が拡大。リモートワークでなかなか出社できないという状況の中で、「システムの面倒を見る各社の情報システム部門の担当者は非常に苦労されていると見ている」と語る。

 そうした背景の中で提供を開始したManaged Liveの特徴について、坂下氏は「われわれがMSPとしてこの20年間で培ってきたノウハウを基に、企業で求められる最適な監視・障害対応を固定パッケージ化している。当社の推奨設定で提供することで、お客様にとっても導入が非常に楽になる」と強調。1ノードあたり初期費用1万5000円、月額費用1万4000円という「パッケージならではの価格帯で提供している」ことも強みだとする。

Managed Liveの導入により
MSLへのアップセルも期待

 アイティーエムでは、Managed Liveの主な提供ターゲットとして、情報システム部門が少数しかいない、あるいは専任の担当者を持たないような中小企業を想定。Managed Liveを利用することにより、情報システム部門のリソースが不足しがちな中小企業においても、同社が運用監視を担うことでシステム運用の負荷を軽減できるとともに、ITに不慣れでも簡単・低価格で導入できるというメリットを訴求していく。

 直販に加えて、パートナー経由でもManaged Liveの販売を展開する。10月のリリース後、販売パートナー企業からの問い合わせや要望も届いているという。「パートナーにとっても、Managed Liveはわかりやすく提案しやすいものになっている。従来MSLを提案していた既存のパートナーには“扱いやすくなったMSL”というイメージを持っていただきたい。また、新しくパートナーになる企業とも、これをきっかけにお付き合いを深めていきたい」と坂下氏は話す。

 また、アイティーエムではManaged Liveの導入をきっかけに、MSLへのアップセルも期待している。坂下氏は「まずはManaged Liveを入れていただき、なんとなく雰囲気がわかってきた段階で、新たにここも監視してほしい、障害対応をしてほしいといった気付きが出てくる可能性もある。その際は、いったんManaged Liveは卒業していただき、通常のMSLをご提案するというところに行きたい」と説明。顧客のさらなる運用監視ニーズを促す上でもManaged Liveが有効なツールであるとアピールする。(前田幸慧)