BlackBerry Japan(ブラックベリー)は8月27日、記者会見を開催し、ZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)サービス「BlackBerry Gateway」と、急増するビジネスメール詐欺への対応を支援する「ビジネスメール詐欺診断サービス」を発表した。吉本努社長は「今回の新製品をきっかけにセキュリティ事業を強化し、顧客獲得を進めていく」と意気込みを語った。
吉本努社長
同社のセキュリティ商材は、EPP製品「BlackBerry Protect」やEDR製品「BlackBerry Optic」など、エンドポイントセキュリティ製品が中心となっており、「通信に対するセキュリティは提供できていなかった。BlackBerry Gatewayを提供することで、その部分をカバーする」(吉本社長)という。
ビジネスメール詐欺診断サービスについては「当社では『BlackBerryサイバーセキュリティサービス』として侵害診断調査やインシデントレスポンスなどを提供している。そこで得たノウハウを生かし、ビジネスメール詐欺に対するコンサルティングを提供する」(吉本社長)としている。
BlackBerry GatewayはAIを活用したZTNAサービスで、SaaSやアプリケーションに対してセキュアなアクセスを実現するという。具体的には、機械学習、IPレピュテーション、リスクスコアリングを用いて、悪意あるインターネット接続先のリストを常に更新して、アクセスをブロックする機能やユーザーのネットワーク利用パターンが過去の行動と一致しない場合に、ネットワークアクセス制御ポリシーを自動的に上書きし、接続をブロックする機能などを提供する。また、「Gateway Connector」を設置することで、VPNの代わりにBlackBerry Gatewayを使用することも可能だ。
販売は9月末に開始する予定。まずは同社のエンドポイント製品を導入している企業に対して提案を進めていく考えだ。
一方のビジネスメール詐欺診断サービスでは、専用のツールなどを用いてメール環境の評価し、システムの脆弱性や改善案などをレポート形式で報告する。また、発生中または発生後のインシデントに対して、同社のコンサルタントが調査を実施し、修復と防止を目的とした詳細な推奨事項を提示する「ビジネスメール詐欺インシデントレスポンスサービス」も提供する。
同社の井上高範・セールスエンジニアリングディレクターは「ビジネスメール詐欺に対する専門コンサルティングサービスを提供しているベンダーは見当たらないため、大きなアピールポイントになる」と話した。(岩田晃久)