ネットワールドは5月19日、長野県塩尻市教育委員会が推進する教職員向け仮想デスクトップ環境構築プロジェクトで、ネットワールドが提供する「Citrix Virtual Apps」と、高性能ストレージ「HPE Nimble Storage HF20」が採用され、本格稼働開始したと発表した。システムの提案と構築は、ネットワールドのパートナーであるエプソン販売が担当し、構築・運用を含めさまざまな場面で支援したネットワールドのエンジニアの技術レベルの高さが評価された。

システム構成図

 長野県のほぼ中央部に位置し、中山道の宿場町としての歴史を有する塩尻市の教育政策を担う塩尻市教育委員会は、さまざまな形で教育現場へのICT導入を進めてきた。その中で、小中学校の教職員向けデスクトップ環境は、ファットPCを利用していたため、端末の運用管理に多くの時間と手間を要し、また、端末内にデータを保存できることから、マルウェア感染や情報漏えいなどのセキュリティリスクも懸念されていた。

 これらの課題を解決するために仮想デスクトップ化を決定し、エプソン販売は、周辺自治体の学校で安定稼働の実績が豊富なCitrix XenAppを提案。塩尻市教育委員会は、まず16年に小学校教員向けにCitrix XenAppを導入し、安心で効率的な業務環境を構築した。

 その後、新型コロナウイルスの急速な感染拡大に伴い、出勤を見合わせざるを得ない教職員も出てくる中、リモートワークをどう進めるかという課題が浮上し、小学校に続き、中学校教員向けにもVirtual Appsを導入した。また、それまで別々に稼働していた小学校教員向けと中学校教員向けの二つの仮想化基盤を統合し、インフラの抜本的な見直しによりコスト削減を図ることになった。

 新しい統合基盤では、多くのサーバーやクライアントが稼働することから、ストレージは高いパフォーマンスを確保でき、コストパフォーマンスの高いNimble Storageハイブリッドフラッシュアレイを採用。サーバーもHPE製品を使用していたため、保守を一本化することもできた。また、Virtual Appsへのセキュアなリモート接続を実現するCitrix ADCとマトリックス認証を連携させることで、セキュリティと利便性の両立も実現している。

 Virtual AppsとNimble Storageによる新しい仮想デスクトップ環境は、昨年9月に本番稼働を開始。これが実現したことにより、自宅でも学校と同じ環境で作業できるようになり、コロナ禍でも校務や承認・決裁業務などが滞る心配がなくなった。

 これに加えて、昨今は小中学校教員が非常に多忙な環境に置かれており、その負担軽減が重要な社会課題ともなっているが、新しい仮想デスクトップ環境が整備されたことにより、教育現場の働き方改革に大きな弾みをつけることができた。育児・介護などの事情を抱えた教職員でも、自由な時間の使い方が可能になり、また、休日に作業をしたい際なども、学校まで出向く必要がなくなった。

 システムのレスポンスは非常に良好で、以前のファットPC環境よりもファイルアクセスや通信が速くなったとしている。さらに、通常の校務だけでなく、コロナ禍で増えたウェブ会議システムでのリモート会議も、Citrixの最適化機能によって快適に行われている。

 インフラ最適化という観点では、二つの基盤を統合したことで、ラックスペースは従来の2ラックから1ラックへと半減。これに伴い、電力消費量も大きく引き下げることができた。また、Nimble Storageには、AI/クラウド技術を用いた監視・予兆分析ツール「HPE InfoSight」が搭載されており、システムの安定性向上と運用効率化も実現している。