ServiceNow Japanは、自治体職員の業務効率化に向けた提案を強化している。同社のプラットフォームによって、ワークフローの始めから終わりまでを一気通貫でデジタル化して省力化を進め、人間にしかできないサービスの充実を図る。他のITベンダーやSIerが有するプロダクトやサービスをつなぐソリューションとしての位置付けを強調し、販路開拓に努めていく考えだ。
5月19日にはオンライン上で職員向けソリューションに関する記者説明会を開き、狙いや事例などを解説した。
野澤さゆり 営業本部長
サービス営業統括本部公共営業本部の野澤さゆり・営業本部長は、自治体サービスのユーザー体験を高めるには、住民や事業者に対するサービスに関するソリューションの改善だけでなく、「職員体験の向上」が欠かせないと指摘。職員の業務効率化によって生まれた時間で「市民や事業者に寄り添うサービスの展開が可能になる」と話した。
そのためには、住民や事業所からの申請、契約手続きに関するフローのデジタル化だけでなく、予算要求や人事申請をはじめとする自治体内の業務も全てデジタル上で完結させることが重要になるとした。同社のプラットフォームはタッチポイントとなるポータルや各種ツール、本人認証や承認、基幹業務の各システムを統合し、一元的な管理を実現する。
ISMAP(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)に登録済みであるほか、LGWAN経由でも利用でき、安全性も確保している。
採用を決めた自治体も現れている。横浜市では事業計画・予算編成から期中の執行管理、決算・事業評価といった財政事務の中核となるプロセスを一貫してデジタル上で管理できるシステムの構築に乗り出した。
全てのプロセスが一つのプラットフォーム上で集約されるため、これまで発生していた個別ファイル/システムへの入力、電子メールの受け渡しなどが不要になる。財政事務の効率化や財政データの集約・可視化、データ分析に基づいた行政経営などに貢献できるという。
販路開拓では、他のベンダーやSIerが構築したソリューションをつなぐプラットフォームである点をアピールする考えだ。パートナーに対しては「自身が持っているソリューションや、(インテグレーションにおいて)差別化できるポイントを生かして、販売網を広げていただきたい」(野澤営業本部長)と期待を寄せた。
(藤岡 堯)