エンカレッジ・テクノロジは2月14日、システム証跡監査ツール「ESS REC」の最新版「ESS REC 6」を3月に発売すると発表した。従来製品を12年ぶりにメジャーアップデートし、プラットフォームのアーキテクチャーを刷新。システム操作内容の監視や証跡の取得に加え、新たにリモート環境でも安全なシステム運用をできるようにした。
最新版では、従来バージョンで採用していたWindowsのプラットフォームを抜本的に見直し、Linuxをベースとしたコンテナ技術を採用したアーキテクチャーを活用した。2004年に初期バージョンを提供して以来、プラットフォームを刷新するのは初めて。Ubuntu Serverを利用する場合にサードパーティライセンスが不要になるほか、OSのバージョンなどによる動作への影響が少なくなり、安定稼働が実現できるという。
石井進也 社長
新機能では、カメラデバイスを使用した操作環境の監視とAI常時認証をできるようにした。操作者の顔と周辺環境を撮影・記録し、AI技術でユーザーを識別することで、なりすましやのぞき見に対処できる。
顔認証は、監視対象のコンピューター上で解析できるように軽量化した点が特徴。認証の精度を向上させるためには、多くのデータを利用しやすいサーバー側で実行するケースが多いが、負荷が高くなることが課題だった。同社は、15年から継続してきた機械学習の研究成果を反映して課題を克服しており、上田浩取締役は「製品化につながったことは大きな意味がある」とアピールした。
販売戦略について、石井進也社長は「在宅での利用について提案していくとともに、機密データを扱う企業向けの新しい市場の開拓に力を入れる」と説明。代理店のソリューションに組み込んだかたちでの販売も進めるとした。
(齋藤秀平)