昭電は3月3日、記者説明会を開き、落雷が発生するリスクをモニタリングできるサービス「LiRiMoS」の提供を開始したと発表した。気象データの提供を行うハレックスと共同で開発したシステムにより発雷状況や発雷予測を可視化し、企業のBCP対策の強化につなげる。同社は本年度中に100ユーザーの獲得を目指すと意気込んでいる。
LiRiMoSは気象庁が解析した気象に関するビッグデータの収集・加工・編集を自動で行い、落雷リスクを可視化するWebサービス。発雷状況をリアルタイムで表示する機能や、雷の激しさや発雷確率を1時間先まで10分間隔で表示する直近予測機能、発雷確率を2日先まで3時間間隔で表示する中期予測機能を備える。また、オプションで大雨、強風、台風、洪水などの気象情報も表示可能となっており、企業の事業継続に関わる気象のリスクを一元的に可視化できる。
大林和輝 係長
ユーザー企業は全国にある自社の拠点を監視地点として登録することができ、あらかじめ設定した基準値を超過する予測が出た際に、拠点ごとに自動でアラートメールを配信する。同社技術開発部の大林和輝・係長は「既存のサービスでは、雷情報をモニタリングし続ける担当者が必要だったが、(LiRiMoSでは)メールによるアラートを提供することで、従業員は現場の作業をしながらでも落雷のリスクを把握できる」と競合優位性をアピールした。また本年度から全国にセンサーを設置することによって、地方のデータを得られるようにしていく予定で、大林係長は「気象庁から得られるデータにプラスアルファしたピンポイントの情報を提供することで、差別化を図っていく」と話した。
販売戦略としては、全国の主要都市を中心に、建設業などをターゲットとして拡販に注力する。同社の全国9カ所の拠点活用に加え、既存の販売パートナーとの関係を強化し、販路を確保していく。また、これまで同社が主力としていた電源・通信関連のハードウェア販売とは違った戦略も必要になるとし、今後はソフトウェアに強い新規パートナーの獲得も視野に入れるとした。
(大畑直悠)