ヴィーム・ソフトウェアは4月12日、記者説明会を開催し、2023年の国内事業戦略を発表した。ランサムウェア対策への需要がさらに高まっていることを背景に、攻撃を受けた際の復旧費用保証をパッケージ化した新ソリューションを2月に発表。全国各地で頻発している被害に対応するため、サポートエリアや人員体制を拡大し、業界ごとに最適なデータ保護戦略を提案していく方針を示した。
古舘正清 社長
古舘正清社長は、日本法人が5年連続でグローバルの平均を上回る成長を継続していると紹介。国内のランサムウェア被害が過去最高を記録したことや、同社調査「2023 データプロテクションレポート」で、この1年でランサムウェアの攻撃を1回以上受けた企業の割合が85%に上ることに触れ、「最後のとりでであるバックアップ/リストアの対策が急務になっている」と述べた。
23年の国内事業戦略として、「OEMサポート」「チャネルパートナー」「地域拠点」「業界別ソリューションの提供」の四つの拡大を目指す。OEMサポートでは、国内のサポートスタッフを5倍に拡充。難易度の高いインシデントも含めほとんどのケースに対応できるようにするとした。地域拠点拡大として、九州支社の開設を予定する。業界別では、ランサムウェア対策が急務の医療と製造業、クラウド化が加速する見通しの自治体、「Microsoft 365」のバックアップで需要が拡大している教育業界の四つを販路拡大の注目業界と説明。パートナー企業と連携し、業界別の課題に対応したサービスを展開していくという。
古舘社長は、同社の強みについて最低限の投資でランサムウェア対策ができる点と強調。病院での導入事例を示し「既存のハードウェアを生かす現実的な提案として多くのお客様に評価していただいている」と話した。
2月に発表した同社の新ソリューション「Veeam Data Platform」は、三つのバージョンを提供。最上位となるPremium Editionは、ランサムウェアやサイバー攻撃の際にデータ復旧費用を保証する新制度「Ransomware Warranty」が適用される。
(堀 茜)