日立システムズは6月6日、東京都水道局からの発注により、配水小管内の流量を遠隔で監視する流量監視装置26台を2022年度に納品したと発表した。


　東京都水道局では、「水道スマートメータ先行実装プロジェクト推進プラン」で、流量監視装置を22年度に3カ所、23年度に23カ所の流量計室などに設置し、流量の遠隔監視を順次開始する。流量監視装置によって、設置した配水小管内の流量・流向を監視することで、平常時の管路の流れを定量的に可視化できるようになり、適切な水質管理や効果的な配水運用の実施が期待できる。

　流量監視装置の主な特徴としては、監視装置を設置するためにマンホール蓋の加工や交換が不要になる。流量計は、新設の流量計室にサドル分水栓を用いて設置できるタイプ、または、一時的な流量調査などのために既設の地下室内の補修弁上に設置できるタイプの二つを用意した。これにより、口径100－350mmの配水管に、断水なしで流量計の着脱が可能となった。

　マルチキャリア対応セルラーLPWAの採用により、設置場所の電波状況に応じた最適な通信キャリアを選択できる。中継装置不要で、マンホール蓋を閉じた状態でも無線通信が可能で、市販電池で3年以上稼働する。外部電源が必要ないため大掛かりな電源工事が不要となり、導入コストを抑えられるほか、入手が容易な市販電池を使用できることで、運用コストの削減にも寄与する。

　日立システムズでは引き続き、水道事業の維持管理・危機管理の向上を目指す東京都水道局の取り組みを支援し、住民の生活に不可欠な水のさらなる安定供給に向けたサービスを提供していく。