AIソリューションを開発・提供するpluszeroとIPネットワークを用いた音声通話技術などを展開するアップセルテクノロジィーズは7月20日、資本業務提携を発表した。両社はコールセンターへの問い合わせに音声で自動応答する「AIオペレーター」を開発し、業務効率化を目指す。日本語に強いAIの開発を進め、自然な受け答えを可能にする。

　AIオペレーターは、コールセンターにおいて、人間に代わって音声で顧客に応答するソリューション。pluszeroが保有するLLM（大規模言語モデル）の回答の信頼性を担保する技術と、アップセルテクノロジィーズが持つトークスクリプトを自動生成するAI技術を組み合わせて開発する。


　人間の会話の抑揚や呼吸を解析することで、心地よい音声での会話を実現するほか、日本語に強いAIを開発する。具体的にはアップセルテクノロジィーズの各拠点で得た通話に関するビッグデータを活用することで、方言も含めた音声認識を可能にする。年内にプロトタイプを開発し、来春のリリースを目指す。

　将来的にはAIオペレーターの開発で得たノウハウや技術要素を基に、人に代わって受付業務などを行う「Digital Human」を開発する。親しみやすい外見のアバターを活用して、顧客とのコミュニケーションが可能になるという。

　ｐluszeroの小代義行会長兼CEOは、「アップセルテクノロジィーズの顧客基盤から市場のニーズや求められる品質を理解し、より高い水準のサービス提供を目指したい」と意気込みを語った。アップセルテクノロジィーズの高橋良太社長は「われわれもｐluszeroもAIに関する特許技術を持っている。それらを組み合わせて、今後現れる競合でも追いつけない技術を開発したい」と応じた。
（大畑直悠）