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小林製薬、生成AI活用やIT企業との協力でDXを推進 顧客体験と従業員体験の向上目指す
2023/08/17 09:00
週刊BCN 2023年08月21日vol.1981掲載
大手製薬会社の小林製薬は8月8日、DXへの取り組みについて記者説明会を開催し、「あったらいいな開発のDX」「全社員でDX」「生産性向上」の三つの戦略を推進すると発表した。生成AIの活用や人材採用・育成の強化などに取り組み、顧客体験と従業員体験をともに向上させることを目指す。執行役員の石戸亮・CDOユニット長は「3年以内に『関西でデジタルの仕事をするなら小林製薬』、2030年には『メーカーでデジタルの仕事をするなら小林製薬』と言われる状態にしたい」と目標を語った。
小売業では、商品開発における顧客データの活用や、オンラインとオフラインの両方を活用した販売が広がるなど、業界全体でデジタルによる変化が進んでいる。そのため同社では、23年からDX推進グループを新設し、DXへの取り組みを本格化した。
あったらいいな開発のDXでは、生成AIの活用を推進する。同社では、商品開発や業務改善のアイデアを社員から募集しており、年間で5万7000件以上が集まるという。今後は、集約したアイデアやトレンド情報などを生成AIに学習させ、新商品やデジタルサービスの創出に活用していくという。
全社員でDXでは、オンライン学習プラットフォームや勉強会などを通じて社員のITスキル向上を図る。業務でプロトタイピングやプログラミングなどを行う社員は専門の研修を受けられるのに加え、チャレンジ意欲の高い社員は、協力関係にあるIT企業への“留学”もできるようにする。デジタル人材の採用も強化しており、現在は10職種を用意し、採用活動を実施しているとした。デジタル人材層に向けた情報発信に積極的に取り組み、人材獲得を進める。
同社は20年からRPAの利用を開始し、業務時間の削減に取り組んできた。今後は、ビジネスアプリケーションの活用、契約業務の電子化およびペーパーレス化、コミュニケーションツールやコラボレーションツールの利用拡大などにより、働き方改革の推進とデジタルワークプレイスの充実を図る。また、各部門や各拠点の情報やIT資産などを統合管理するための仕組みづくりにも着手し、生産性の向上を目指す。加えて、サイバー攻撃が拡大していることから、SOC(Security Operation Center)による監視運用体制の強化やクラウドをベースとした事業継続対策の策定などのセキュリティ対策を強化する。
石戸執行役員は「DXの推進では、デジタル化だけでなく風土改革も重要となるため、さまざまな施策を実施していきたい」と展望した。
(岩田晃久)
大手製薬会社の小林製薬は8月8日、DXへの取り組みについて記者説明会を開催し、「あったらいいな開発のDX」「全社員でDX」「生産性向上」の三つの戦略を推進すると発表した。生成AIの活用や人材採用・育成の強化などに取り組み、顧客体験と従業員体験をともに向上させることを目指す。執行役員の石戸亮・CDOユニット長は「3年以内に『関西でデジタルの仕事をするなら小林製薬』、2030年には『メーカーでデジタルの仕事をするなら小林製薬』と言われる状態にしたい」と目標を語った。
小売業では、商品開発における顧客データの活用や、オンラインとオフラインの両方を活用した販売が広がるなど、業界全体でデジタルによる変化が進んでいる。そのため同社では、23年からDX推進グループを新設し、DXへの取り組みを本格化した。
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