パナソニックコネクトは8月24日、記者説明会を開き、同社が提供する防災DXソリューションを紹介するとともに、今後のソリューション開発の方向性を示した。2025年をめどに防災システムにAIを活用した意思決定の支援や被害予測などの機能を搭載する方針だ。
沼 隆久 シニアマネージャー
AIによる新機能は、画像・データ解析により、避難指示などの意思決定の支援や、地震や洪水、津波といった、地域の特性に合わせた被害予測を提供する。現場ソリューションカンパニーパブリックサービス本部の沼隆久・業界ソリューション総括部自治体ソリューション部シニアマネージャーは、「AIを活用してさまざまな情報を解析することで、職員のナレッジに依存しない災害対応が可能になる」と説明。25年までに提供を開始する計画だ。
また、沼シニアマネージャーは小規模の自治体が導入できる自治体向けのソリューションの拡充にも意欲を示し、「防災業務の省人化に貢献する」と述べた。加えて「過去の被災経験などによって、防災DXへの意識は自治体ごとに温度差がある。強い課題感を抱く自治体の期待に応えるソリューションと、機能差をつけて価格を抑えることで、導入しやすいソリューションを展開していく」と製品戦略を説明した。
同社は防災DXソリューションとして、防災行政無線設備や雨量・水位計など、さまざまなソースから情報を集約するデータプラットフォームを提供。データを一覧的に可視化するソリューション「防災情報システム」などを展開している。また、昨年末には避難所向けのソリューションの提供を開始。避難所ごとにマイナンバーカードから避難者情報を取得できる端末を設置し、収集した情報を防災情報システム上で一元的に把握可能にする。同社の防災DXソリューションは、現在、30~40の自治体で採用されているという。
(大畑直悠)