freeeは9月6日、請求書などの証憑を無料で作成できるサービス「freee請求書」のスマートフォン版アプリの提供を開始した。10月に開始予定のインボイス制度に対応し、制度開始で新たに記入が求められる「税率ごとの消費税額及び適用税率」や「適格請求書発行事業者の登録番号」の記載が可能。外出先や移動先での発行、メール送付がスマホ上で容易に行え、「freee会計」との連携にも無料で対応する。
請求書以外にも見積書、発注書、領収書、納品書が発行でき、発行枚数に制限はない。インボイス制度だけでなく、改正電子帳簿保存法にも対応する。
前村菜緒 常務執行役員
freee会計との連携を活用すれば、入金状況の自動管理ができるほか、請求書の情報を元に仕訳で用いる勘定科目や税率などの項目をfreee会計に登録することも可能だ。
アプリはiOS、Android向けを用意し、既存のPCブラウザ版で作成した請求書を、スマホアプリ上で閲覧・編集する機能も備える。文字サイズを拡大しても表示フォーマットが崩れない仕様、読み上げ機能なども有し、アクセシビリティにもこだわった。
6日に開かれた説明会では、今後の同社のプロダクトにおけるインボイス制度への対応についても紹介された。10月にはfreee会計で、証憑に記載されたインボイス情報を読み取り、正しい税区分で記帳できているかを自動判定する機能などを追加する。
常務執行役員の前村菜緒・会計申告プロダクトCEOはインボイス制度の開始によって経理業務の煩雑化が予想される一方、同社のプロダクトを導入すれば、制度開始前の作業時間よりも短縮できるとアピールした。その上で「法対応をきっかけに、スモールビジネスのバックオフィスの効率化をより提案できるプロダクトを開発していきたい」と述べた。
(藤岡 堯)