米SambaNova Systems(サンバノバシステムズ)は2月29日、記者説明会を開き、さまざまな生成AIモデルを組み合わせた独自の生成AIモデル「Samba-1」を発表した。生成AIの活用に最適化した半導体「SN40L」などを含む同社の基盤製品に統合して提供する。パートナー経由の販売も視野に入れて拡販する。
Samba-1は50を超えるオープンソースの生成AIモデルを組み合わせて開発され、同社によるとパラメーター数は1.3兆に上るという。米Meta(メタ)の「Llama 2」や仏Mistral AI(ミストラルエーアイ)の「Mistral」といった生成AIモデルをそれぞれカスタマイズし、専門性を持たせた「エキスパートモデル」として組み込んだ。推論処理の際は、用途に応じて小規模なエキスパートモデルが実行されるため、大規模なモノリシックのAIモデルを用いるよりも、低コストで精度の高い出力結果が得られるとしている。
同社は、独自のハードウェアと生成AIモデルなどのソフトウェアを含む基盤製品「SambaNova Suite」を提供している。Samba-1は同製品に統合され、企業のデータを活用したファインチューニングや管理などが一元的にできる。
また、生成AI対応アプリケーションをテストできる「Samba Apps」と、開発者向けに、米Hugging Face(ハギングフェイス)が提供する生成AIモデルと性能を比較できる「Sambaverse」も展開する。
鯨岡俊則 ゼネラルマネージャー
今後は、パートナー経由での販売も検討しているとし、同社の鯨岡俊則・アジア太平洋地域ゼネラルマネージャーは「Samba-1を最適に動かすための革新的な技術や工夫がSambaNova Suiteには搭載されており、パートナー各社が独自データを活用して価値を付加できる」と訴えた。また、販売ターゲットとしては大手企業や国、自治体、業種では製造業、金融機関などを挙げた。
(大畑直悠)