データ入力業務を手掛ける事業者で組織する日本データ・エンジニアリング協会(JDEA)は、データの信頼性を▽検証可能▽精査済み▽信頼データ(トラストデータ)-の3段階に分ける技術的裏付けや、料金体系を整備する2024年度の活動方針を発表した。3段階のうち、現在はエラー率を10万分の3程度に低減した「精査済み」まで実現できている。今後はより信頼性を高めたトラストデータを実現することで、データ入力ビジネスの付加価値の向上を促していく。
河野 純 会長
検証可能なデータは「いつ、誰が、どこで作成したデータかを突き合わせることが可能なデータ」であり、問題が起きたときは元データと照らし合わせて正しいデータに修正できる。精査済みは元データと照らし合わせるなどして精度を極限まで高めたデータで、JDEAの会員が最も強みとしている領域である。今後は「第三者の認証を得たデータで、かつ精査済みデータと同レベルの高い精度を保ったトラストデータをつくりだす」(河野純会長、電算社長)方針を示す。
村岡宏哲 委員長
例えば、医療業界で使うトラストデータであれば、医療団体から認証を受けて「どの医師が、いつ、どのような用途で作成したデータかを裏付けてもらう」(河野会長)ことで実現する。並行して、検証可能、精査済み、トラストデータの各データを技術的、精度的にも区分けしていくことで、「それぞれの品質に見合った料金体系を整備していく」(村岡宏哲・活性化委員会委員長、ワイシーシーデータサービス代表取締役)考え。
近年では生成AIの性能を高めるために、より正確で精度の高いデータへの需要が高まっている一方で、ネット上に根拠の希薄な“野良データ”が数多く存在している。精査済みのデータと混じることのないようユーザー企業の協力も得ながらデータの信頼性や付加価値の向上に努めていく。
(安藤章司)