米Zscaler(ゼットスケーラー)日本法人は7月4日、記者会見を開き、ビジネスの状況や事業戦略を説明した。ゼロトラストセキュリティーへの需要拡大により製品の利用が増加し、高成長を遂げていることを明らかにした。支援体制の強化や製品のローカライズを進め、成長を目指す考えを示した。
米Zscalerのジェイ・チャウドリー・CEO(左)と
日本法人の金田博之・エリアバイスプレジデント
金田博之・エリアバイスプレジデントは、国内ビジネスの近況を説明。現在は、600社以上が製品を利用しており、過去5年間でのARR(年間経常収益)の成長率は日本を含むアジア太平洋地域でトップだという。ゼロトラストセキュリティー環境の構築を目指す企業が増えているのを成長要因として挙げた。また、日本法人の社員数は5年前に比べて約5倍になったとした。
今後の戦略では、カスタマーサクセスマネジメント、テクニカルアカウントマネジメントといった部分にリソースを投入して、導入や運用に関する支援体制の充実を目指す。国内企業の需要に合わせて製品のローカライズを進めていく予定だ。販売パートナーの拡充にも注力する。金田エリアバイスプレジデントは「セキュリティー強化と生産性向上が両立できるサービスを提供することで、お客様のIT戦略全体の推進に伴走していく」と力を込めた。
米本社のジェイ・チャウドリー・CEO会長兼創業者は、サイバー攻撃の巧妙化、リモートワークの普及、クラウドサービスの利用拡大などにより企業のIT環境が変化していることを挙げ、「ファイアウォールとVPNによる境界型防御が通用しなくなっている。シンプルなアーキテクチャーであり、運用も容易なゼロトラストセキュリティーに変革していくのが重要だ」と述べた。
(岩田晃久)