日本IBMは8月8日、AI活用を加速する包括的なフレームワーク「デジタル変革のためのAIソリューション」を発表した。IT部門にとどまらず全社的なビジネス変革におけるAIの実用化加速を支援し、国内でAI活用に積極的な「AIファースト企業」を増やすことを目指していく。
新たに発表したフレームワークは、同社が今年3月に打ち出した「IT変革のためのAIソリューション」を拡張し、「AI活用プラットフォーム」「AI戦略策定とガバナンス」「ビジネス変革のためのAI」を加えた四つで構成。「watsonx」をはじめとするIBM製品やIBM Consultingのアセットに、戦略パートナーとの協業によるソリューションなどを組み合わせて展開する。
川上結子 執行役員
このうち、AI活用プラットフォームのソリューションの一つとして「IBM Consulting Advantage」を紹介。他社製の大規模言語モデルを含む幅広いAI活用ソリューションを統合して利用でき、安全でスピード感を持った開発を支援する。将来的な利用拡大を見据えて、全社AIプラットフォームにふさわしい拡張性を担保しているとした。
ビジネス変革のためのAIでは、業界固有のプロセスに特化したAIソリューションのほか、製品やサービス、顧客接点、ビジネスプロセス最適化、人材管理、サプライチェーンなどのユースケースにあわせたAIソリューションを提供する。
同社は、生成AIの投資対効果が向上し、企業価値を高めるものとして本格活用段階に入っていると説明。執行役員の川上結子・ビジネス・トランスフォーメーション・サービス事業部長は、AI本格活用のためのポイントとして、▽部門やビジネス領域を横断した活用による価値創出▽独自データを生かすための高度なAI活用▽AIスキルの獲得により全社的にノウハウが行きわたる環境整備―の3点を挙げた。「生成AIは企業に必要不可欠になってきている。日本の中に全社でAIを活用するAIファースト企業を増やしていきたい」と述べ、新たなソリューションで活用をサポートしていくとした。
(堀 茜)