Nexa Wareは8月22日、物流倉庫向けデータ分析サービス「Nexa Warehouse-Optimizar」の提供を開始した。倉庫内データの分析・活用による作業工程の全体最適化に加え、人員や作業量を考慮した作業員シフトの自動作成などにより、業務効率化を実現する。
同社は、KDDIと椿本チエインが2024年4月に設立した合弁会社で、次世代型物流倉庫自動化ソリューションを開発している。Nexa Warehouse-Optimizarは、必要作業員数と最適な作業員シフトを算出する「シフトシミュレーション」や、工程ごとの作業完了時間を予測する「予実管理・作業完了予測」といった機能を備える。Nexa Wareの西川龍平・DX戦略部ディレクターは「作業の遅延などの状況を可視化することで、作業完了が遅れそうな場合は集荷する運送会社のドライバーに事前に連絡するなどして荷待ち時間を削減できる」と活用方法を紹介。データ分析にとどまらず、改善策までをワンストップで提示し、物流の2024年問題解決に寄与するソリューションであると強調した。
データ可視化サービスを導入した
KDDIの物流センター
KDDIは、相模原市の東日本物流センターで23年からNexa Warehouse-Optimizarの実証実験を実施。スマートフォンなどの製品を小売店などに発送する同センターでは、1日8万点を入出荷している。ロボットの導入で効率化を進めてきたが、データ可視化により、出荷に至るまでのプロセスの進捗を把握できるようになったことで、1.4倍の作業効率化を実現。一般提供に先駆けて8月1日から本格導入した。
KDDIは、業界ごとのDXを支援するプラットフォーム「WAKONX」を24年5月に発表しており、Nexa Warehouse-Optimizarは物流向けのソリューションとして展開する。販売先としては、物流倉庫を持つメーカーなどを想定しており、KDDIの顧客にサービスを紹介して拡販する。
(堀 茜)