KDDIは独Celonis(セロニス)のプロセスマイニングツールを活用し、通信設備故障対応業務を効率化している。プロセスマイニング技術により、データ活用を推進することで、エビデンスに基づいて業務を改善する組織文化を醸成し、継続的な業務改革が可能な環境を実現した。
KDDIは、故障が発生した際に調査や交換品の選定、現場での修理というプロセスを数百のパートナーと連携しながら取り組んでおり、その中で発生するデータのやり取りといった業務の複雑化が課題となっていた。プロセスマイニングを導入することで、イベントデータを可視化する仕組みをつくり、時間がかかっている業務を特定。それを基に課題を分析し、改善を実行する環境を構築した。現場の担当者が用途に応じてダッシュボードを構築し、業務改革を主導しているという。
近藤裕司 副部長
技術統括本部次世代自動化開発本部オペレーション基盤開発部の近藤裕司・副部長は「新しいツールを導入した際、現場の担当者はそれぞれが工夫を凝らすため、結果的に、業務の属人化や非効率化が発生することがある。データに基づいて日々変化する業務環境を俯瞰的に検証できるようにするのが狙い」と説明する。その上で「プロセスを可視化する仕組みを整えれば、単発ではなく、継続的な業務改善を打ち出すことができる」と話す。
プロセスマイニングを生かすために必要な点については「プロセスを可視化したからといって、すぐに分かりやすい成果が現れるわけではない。重要なのはプロセスマイニングの導入により、エビデンスに基づいて業務を改善する文化を根付かせることだ」と強調する。
さらに「プロセスマイニングはコンサルタントと同じようにさまざまな情報を収集できる技術。自分たちの業務を自分たちでかじ取りをして改善できる」と語る。
(大畑直悠)