ピュア・ストレージ・ジャパンは10月18日、国内のユーザー、パートナー向けの年次イベント「Pure//Accelerate 2024 Tokyo」を開催し、同日に報道関係者向けの説明会を実施した。ファイルストレージの新バージョンとなる「リアルタイム・エンタープライズ・ファイル・サービス」や、VMwareユーザーのコスト削減につながる仮想マシン最適化機能を発表した。
ストレージシステムでは一般に、使用頻度の高いデータを高速な領域に、頻度の低いデータを低速な領域に配置するティアリング(階層化)を行うことで、性能とコスト効率を両立させるが、データの再配置の際に物理的なデータ移動が必要となるため、運用に複雑性が生じていた。
米Pure Storage ショーン・ハンセン ゼネラル・マネージャー
今回発表したリアルタイム・エンタープライズ・ファイル・サービスでは、ストレージ製品のコンピューティングリソースやネットワーク帯域をデータの種類に応じて動的に割り当てることで、データ移動なしのティアリングが可能となっている。また、ファイルアクセス制御機能なども強化した。従来の複雑なファイルサービスをシンプル化することで、拡張性や柔軟性、セキュリティーを改善する。
さらに、ストレージ向けの「AIコパイロット」機能も加え、ユーザーが自然言語を使ってファイルに関する課題に対処できるよう支援する。米Pure Storage(ピュア・ストレージ)コア・プラットフォーム事業部門のショーン・ハンセン・ゼネラル・マネージャーは「業界初のAIコパイロットだ。ユーザーにシンプルさをお届けし、より簡単に、より迅速に仕事をこなすことができるようになる」とコメントした。
また、米Broadcom(ブロードコム)によるVMware買収についても触れ、仮想マシンの稼働状況を可視化しコスト削減の余地を特定する「VMアセスメント」機能を提供することを紹介。ユーザーが直面している仮想化基盤のコスト問題の解決に貢献していく姿勢を示した。
(大向琴音)