データ分析ソフト開発のDataRobot Japanは、自社製品の活用方法を学ぶ講座「AIアカデミー」と、中堅・中小企業向け販売戦略を結びつけてビジネスを伸ばしていく。AIアカデミーの参加者は自身の業務的課題に沿ったテーマを持ち込んで学ぶことができ、AI活用の実証実験をAIアカデミー内で行い、講師とともに解決に臨むケースも増えている。AI人材の育成と実証実験を兼ねることで導入コストの削減や時間短縮を図り、中堅・中小企業が「DataRobot」を使って機械学習モデルを迅速に構築できるよう支援している。
馬場道生
カントリーマネージャー
AIアカデミーは約90万円の受講料で4カ月間にわたって集中的にデータ分析やAI活用を学ぶ。AI活用による業務的課題の解決に道筋をつけられれば卒業試験に合格したとみなす。同社は2024年7月に中堅・中小企業ユーザーが採用しやすいライセンス体系を国内で適用しており、AIアカデミーでの学びと実証実験の持ち込みによる実践的な施策とあわせて、「中堅・中小企業向けのビジネスを伸ばしていく」(馬場道生・カントリーマネージャー)方針。
五十嵐恒
ディレクター
販売に関わる国内ビジネスパートナーは直近で約30社。中堅・中小企業ユーザー向けライセンス体系を適用してからは、「中堅小売業や地方の金融機関、製造業ユーザーからの問い合わせが販売パートナーに多く寄せられている」(五十嵐恒・チャネルパートナーディレクター)と手応えを感じている。AIアカデミーには販売に携わるSIerなどのビジネスパートナー担当者も数多く受講している。
近年、性能向上が著しい生成AIの利用促進を念頭に置いたテンプレートも11月中旬から順次提供する。テンプレートでは、例えば需要予測などの予測系のAIで導き出した答えを、生成AIによって誰でも理解しやすい言葉で表現するといったことを簡単に行えるようにする。予測AIと生成AIの連携をテンプレート化することで「企業規模を問わず生成AIの活用が進むよう後押ししていく」(馬場カントリーマネージャー)考え。
(安藤章司)