パーソルクロステクノロジーは、米Microsoft(マイクロソフト)の「Power Platform」を活用した内製化支援に力を入れている。ユーザー企業内には、市販の表計算ソフトの資産が大量に残っており、業務効率化の妨げになるケースがある。同社では比較的規模の大きいユーザー企業を主な対象として、「業務アプリのローコード開発を通じた業務変革を伴走型で支援していくサービス」(坂本英明・モダンアプリソリューション部部長)を軸にビジネスを伸ばしている。
右から坂本英明部長、
世良桜子氏、増田夏美氏
表計算ソフトでマクロを組んで運用する従来方式は、取り扱うデータ量に限りがあるのに加え、セキュリティー上の懸念や、属人性が高いためブラックボックスになりがちな課題があった。Power Platformはローコード開発やデータ分析、RPAなどを体系化したもので、業務アプリの内製化や業務自動化への道を開き、「既存の表計算ソフトでの運用の課題を解決する手法として適している」と、Power Platformエバンジェリストの世良桜子氏は話す。
近年ではAIエージェントやAIアシスタントの役割を担う「Copilot」の開発も急ピッチで進んでおり、「ローコード開発で一部ソースコードを触らなければならない部分も、Copilotを活用すればより容易に内製化が可能になる」と、モダンアプリソリューション部で開発を担当する増田夏美氏はみている。
同社ではユーザー企業の内製化に向けた課題を聞き込み、内製化を軌道に乗せるためのコンサルティングや具体的な設計作業、開発支援を伴走型で提供。データ分析などでマイクロソフトのERP製品「Dynamics 365」との連携が必要な場合は、Dynamics 365とPower Platformを組み合わせて提案するケースもあるという。
Power Platformを活用した内製化支援サービスの向こう数年の売上高は「年平均で年率1.5倍程度」(坂本部長)と高い成長を見込んでいる。
(安藤章司)