福島イノベーション・コースト構想推進機構は1月21日、都内で「福島ロボットテストフィールド(RTF)」に関する記者会見を開いた。RTFを活用して技術開発し、事業化に至った5社の取り組みの紹介や、RTFの今後の展開について説明した。
RTFは、新技術や新産業の創出による産業基盤の再構築を目指す国家プロジェクト「福島イノベーション・コースト構想」に基づき、「陸・海・空のフィールドロボット」の開発実証拠点として2020年に開設。インフラや災害現場など実際の使用環境を再現しており、ロボットの性能評価や操縦訓練などができる。
企業発表では、ドローンを活用して平時の運用をベースに緊急時にも対応できる地域密着型の「地域配送ネットワーク」の構築を目指すイームズロボティクス、「空飛ぶクルマ」を軸に低空経済圏モビリティーのプラットフォーム化を目指すテトラ・アビエーション、重作業を代替するロボットの社会実装を目指す人機一体、自動走行式草刈りロボットなどの開発を行うリビングロボット、四脚ロボットといった自律移動ロボットを手掛けるクフウシヤが取り組みを紹介。人機一体は、高所作業ロボット「零式人機ver.2.0」をベースに日本信号が開発した「多機能鉄道重機」が、JR西日本の現場で運用が進んでいると成果をアピールした。
福島イノベーション・コースト構想推進機構
蘆田和也 事務局長
RTFの機能と成果は4月、23年に国が設立した福島国際研究教育機構に福島県から継承される予定。福島イノベーション・コースト構想推進機構の蘆田和也・事務局長は「(継承後も)役割をしっかりと果たし、今後のロボット産業をけん引する世界に誇れる実証研究拠点となるように引き続き努めていきたい」と述べた。
(大向琴音)