米Adobe(アドビ)日本法人は2月12日、PDF編集ツール「Adobe Acrobat」で利用できる生成AIアシスタント「Acrobat AIアシスタント」の日本語版の提供を開始した。PDF形式の社内文書などから必要な情報を素早く検索し、活用できるようになる。
AIアシスタントは、対話型のインターフェースでPDFの文書から必要な情報を提供したり、要約を生成したりできる機能。回答内には引用元を提示し、情報ソースを確認しながら利用できる。「Word」や「PowerPoint」といったPDF以外の文書にも対応する。複数の文書からインサイトを取得することも可能で、古い契約書と新しい契約書の差分を確認するといったユースケースを見込む。
立川太郎
シニアプロダクトマーケティング
マネージャー
1月29日に開いた記者説明会で、立川太郎・Document Cloudシニアプロダクトマーケティングマネージャーは「当社独自のAI技術で開発したドキュメントに特化した生成AIだ。Acrobat内で利用できるため、ドキュメントと生成AIツールを行ったり来たりしなくても一つのインターフェースで完結し、シームレスな利用体験ができる」とアピールした。
マニュアルや契約書、会議資料など、ページ数が多く複雑な文書を扱う幅広い業界・業種への導入を目指す。立川シニアプロダクトマーケティングマネージャーは「顧客のデータを生成AIの学習に利用しない仕組みを設けている」と説明した上で、「社内文書に対しても安心して利用し、業務を効率化してほしい」と訴えた。パートナーによる間接販売で拡販する。
説明会では、今後の生成AI機能の開発についても触れた。生成AIによってPDF内文章の表記ルールや文体、デザインの調整を自動化したり、数人でPDFを編集する場合にフィードバックやコメントから修正案を生成したりできるようにする方針だ。
(大畑直悠)