システム連携基盤を提供する米Workato(ワーカート)日本法人は11月5日、日本国内向けに新たな製品や自動化プラットフォームの機能拡大を発表した。顧客のAIエージェント活用を加速するためのさまざな機能を追加したほか、全製品での多言語対応を完了し、日本語を含む世界の主要言語に対応したUIを正式リリースした。
同社製品の基盤である「Workato ONE」に、AIエージェント向けのMCPサーバー「Workato Enterprise Model Context Protocol(MCP)」を新たに搭載した。AIエージェントを関連データと連携させることで、アプリケーション内での実際の業務遂行を可能にする。さまざまなAIエージェントと接続できる柔軟性と、エンタープライズ向けの信頼性や管理・制御機能を特長としている。
米Workatoのリシ・マリック・Chief Growth Officerは記者会見の場で、多くの企業には、どのようにデータを取り出してAIのプロセスに組み込むのかという課題があると指摘した上で、「信頼されるAIを使うためには、APIを直接使うのではなく、こうしたMCPが必要だ。セキュリティーやガバナンスなどのレイヤーを備え、ビジネスがスケールアップするための土台になるのがこのEnterprise MCPだ」と強調した。
米Workatoのリシ・マリック・Chief Growth Officer
構築済みのAIエージェント「Workato Genie(ジーニー)」の提供も発表した。営業部門の見積もり作業や人事部門の入社手続きなど、企業内で必要な業務を処理できるように設計されており、ニーズに合わせてカスタマイズも可能。KPIへの連動に加え、企業のコンテクストの中で自律的に働き、信頼できるガバナンスといった包括的なパッケージを提供できるという。
同社の全製品の国際化対応が完了したことで、日本語UIの正式提供を開始した。画面操作やオンラインマニュアルなど、全ての機能が日本語で利用できる環境を整えた。(下澤 悠)