BIPROGYは11月5日、2025年4~9月期の決算を発表し、連結で売上収益は前年同期比10.3%増の2051億3200万円、営業利益は19.0%増の213億5000万円、最終利益は30.2%増の153億2300万円と好調だった。旺盛なIT投資需要を受けて、通期の売上収益の見通しを当初から70億円引き上げ、4270億円とした。27年3月期に売上収益4400億円を目指す経営方針は折り返しを迎え、齊藤昇社長CEOは「手応えを感じている」とした上で「単に拡大していくということではなく、お客様と一緒に取り組んでいきたい」と話した。
齊藤 昇 社長
売上収益は「システムサービス」のセグメントが金融機関向け案件を中心に堅調に推移し、ネットワーク機器やサーバー販売の大型案件も追い風となるなど、五つあるセグメントがいずれも前年同期を上回った。利益面は増収効果によって、順調に伸びた。
通期の見通しについて、売上収益の増加分の多くが相対的に利益率が低い製品販売である点や、不採算が想定される案件もあり、利益面では期初予想の営業利益426億円、最終利益290億円を据え置く。
「市場開発」「事業開発」「グローバル」の3テーマで取り組む成長事業戦略に関しても取り組みを拡大。市場開発では、「データ&AI利活用」の分野でDX支援事業を新たに開始。事業開発においては、大阪・関西万博で公開したヘルスケア体験の社会実装に向け、JR西日本、博報堂と構成する共同企業体事業を推進するなど、新たな収益源づくりに注力している。
グローバルではASEANを中心としたM&Aの推進、北米でもスタートアップへの投資を決めている。経営方針では、成長に向けてM&Aを含めて700億円規模の投資を実行する計画で、前期でのパイプラインづくりを経て、実行フェーズへと移っている。齊藤社長は「現場からいい案件が上がれば、(700億円より)上振れてもいい」と積極的な姿勢を示した。
(藤岡 堯)