NTTデータは2月12日、OSSのKernel-based Virtual Machine(KVM)を活用した仮想化基盤の改良版「Prossione Virtualization(プロッシオーネ・バーチャライゼーション)2.0」を3月から提供すると発表した。独自OSで構築から運用まで幅広く機能を拡充し、高可用性と長期サポートを提供する。6社とパートナー契約を締結し、幅広い企業に向けた拡販を目指す。
Prossione Virtualizationは、2025年7月に機能を絞った「1.0」をリリースしたが、今回の2.0は、仮想化基盤を構築し、長期運用するために必要な機能群をそろえた。ホストサーバー、仮想マシン、ネットワーク、ストレージを一気通貫に管理でき、高度なシステム運用が可能となる。KVM利用に最適化したOS「PVOS」を搭載し、移行作業を大幅に自動化できる仕組みも提供する。2.0の活用で、KVMで仮想化基盤を手動操作で構築する場合との比較では、工数を6割削減できるとした。また、物理サーバーの故障時に、仮想サーバーを別の物理サーバー上で再起動して復旧するHA(高可用性)機能を追加した。標準で8年のサポートを提供する。
仮想化基盤市場を巡っては、国内で高いシェアがある「VMware」がライセンス体系を大幅変更し価格が上昇したことを受け、移行先を模索する企業が増えている。NTTデータは、エンタープライズ顧客が欲しい機能を必要十分なかたちで提供することを目指すとした。
新谷哲也 執行役員
執行役員の新谷哲也・テクノロジーコンサルティング事業本部長は、価格や仕様の変更で、システム主権の確保が難しくなっていると指摘し、「仮想化基盤だけほしい顧客はかなりいる。これまでと同じように使える利便性と継続性を提供する。当社がサポートを8年提供するという意味で、国内の顧客には安心感を持ってもらえる」と話した。
顧客の動向について、ソリューション事業本部の濱野賢一朗・OSSソリューション統括部長は、「移行元の期限が26年度末で、移行を検討しつつ2.0の機能を待っていた顧客が多い」と説明。重要インフラ事業者がサービスの継続性を要求され、移行を検討するケースも多いという。26年度中に移行を完了させるために、2.0のリリースで導入が広がっていくとの見方を示した。
2.0の提供にあたり、伊藤忠テクノソリューションズ、NTTドコモビジネス、SB C&S、サイオステクノロジー、サイバートラスト、日立製作所の6社を販売パートナーとして発表した。濱野部長は「中小の地場ベンダーやソフトウェアベンダーもお困りだと聞いている。パートナーを通じて、支援が行き届くことを期待している」と述べた。
価格はホストサーバー1台あたり年額90万円。「他社製品と比較しても、十分検討いただける価格帯」(新谷執行役員)に設定した。同社ではキャンペーンとして、27年3月末までに契約した場合は、65万円に割り引き、市場への早期浸透を図る。
(堀 茜)