衛星データを活用した事業を展開する天地人は5月18日、報道向けの事業説明会を開き、同社の事業「宇宙水道局」の概要や、衛星データとAI技術の展望について解説した。複数衛星の連携や衛星センサーの進化などにより、データの量や種類、分解能(解像度)が拡大することから、解析のためのAIの重要度がより高まるとし、深層学習をはじめとした分析技術のさらなる充実が必要との考えを示した。
宇宙水道局は、自治体が保有する水道管路の材質・経過年数などの基本情報に、地表面温度やレーダー、光学の各衛星データ、人間の活動、人口統計などのビッグデータを組み合わせ、AIによって管路ごとの漏水リスクを数値化・可視化する。老朽化した管路の割合が年々上昇する一方、更新・修繕に充てる予算や人員は減少しており、2026年4月時点で累計契約自治体数は60を超えている。
衛星リモートセンシングエンジニアの伊藤拓弥氏は衛星データのトレンドについて、大型衛星と比較してコストが低い小型衛星を複数運用する事業者によって、複数機を協調・連携させる「コンステレーション」が進み、収集データのリアルタイム性が高まると指摘。センサーがどれだけ細かく見分けられるかを示す「空間分解能」は、数十センチ級への向上が見込まれるほか、光学、合成開口レーダー(SAR)、熱赤外といった複数センサーの相互補完によって、多様なデータが集まることになり、その解析技術の高度化が求められているとした。
伊藤拓弥氏
活用できるデータの急増を踏まえ、伊藤氏は、統計的な計算だけでなく、深層学習などのAI技術が求められているとし、データをいかにサービスに落とし込んで市場に提供していけるかが課題になっているとした。
(藤岡 堯)