The Project

<The Project ―キヤノン IXYデジタル 開発現場の風景―>第4回 汎用CCDを使いこなす

2001/12/24 20:43

汎用CCDを使いこなす あらゆる工夫に挑戦

 第1回目に「汎用CCDを使いこなすようにする」と簡単に書いたが、これは画素数競争に後れを取った反省からだった。デジタルカメラへの参入メーカーが増えるにつれ、競争のポイントは画素数に絞られていった。

 キヤノンのデジカメの主要機種をまとめたのが表だが、2000年まで同社のデジカメは画素数競争で常に後れを取り、それがシェアが伸びない最大の要因だった。

 「CCDは重要だ。だから、特注仕様のカスタムにこだわった。SNの出方、色味など、特注品ならではの良さが出せる」(中里三武郎副部長)。

 ところがそれが裏目に出た。CCDメーカーはまず汎用品を出し、特注製品はその後に開発製造する。このため、特注CCDが出荷されるのは、汎用CCDが出荷されてから数か月から半年はどうしても遅れてしまう。

 画素数競争たけなわの時、これは致命的だった。

 そこで開発陣は、汎用CCDを使いこなすことに挑戦。信号処理半導体などを独自開発していったのである。

 そうした成果は、99年10月に発売した「パワーショット S10」にまず反映された。

 「211万画素の汎用CCDを採用したのはこのモデルが最初。これで画素数競争に対応できるめどがついた」(中里副部長)

 同機の投入は99年10月。そのころにはIXYの原型はできあがりつつあった。

 「実装技術というのは、いわばノウハウの固まり。部品数を減らし、基板は何枚も使わないようにしようとか、最初に基本的目標は立てるが、それをどう配置するかは試行錯誤の連続。小さなサイズのなかにできる限り効率良く組み込んでいくために、あらゆる工夫をした」(茶谷雅彦室長)という。

 そうしたなか、「電池の扱いをどうするかにもずいぶん頭を使った」(茶谷室長)そうだ。

 「リチウム電池を使ったのは当社が初めてのはずだが、長時間使っていると多少膨れてくる。いずれ問題になる可能性があるので、こうした点にまできめ細かい神経を使った」(茶谷室長)という。 (続く)
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