大航海時代

<大航海時代>第22篇●新しき勇者たちへ 第23話 若い力が日本を変える

2002/03/04 16:18

水野博之 広島県産業科学技術研究所

 いまさら言うまでもないことだが、時代の変わり目には、必ずといってよいほど、若い人たちの強いリーダーシップが現れるものだ。逆に言えば、若い人たちの強い意識改革がなければ、新しい時代はやってこない、と言ってよい。

 それは明治維新の若き志士たちを見てもわかるし、第2次世界大戦後の若い連中の活躍にも現れている。

 戦争に負けた日本は連合軍(実体は米国)に占領され、占領軍はそれまでの日本の指導者をことごとく追放した。このとき、一部の人たちからは、米国の陰謀説まで流されたのであった。これによって日本を骨抜きにして再起できないようにしたのだ、と言うのである。

 このもっともらしい説は、その後の若人たちの健闘によって打ち砕かれた。うっとうしい老人、上役どもがいなくなって、若い人たちは猛然と動き出したのだ。

 大会社の上の方はいなくなって、40代そこそこの連中が突如として否応なく社長になったのである。無茶といえばこれほど、無茶なことはなかったであろう。しかも追放された人たちは、仕事にタッチすることを禁じられたのだ。院政でもしこうものなら、たちまち逮捕されたのである。

 この果断な措置によって、日本は生まれ変わった。その後の世界の奇跡と言われた日本の快進撃はこうしてつくられたのである。

 この経験から言えば、今の日本を根本的に改革するためには、50歳以上の人間を全部引退させるのが一番手っ取り早いのかもしれない。しかし、今の日本は民主国家だ。このような超法律的な手段は取りようがない。

 そうなると、若い人たちの自覚を待つ以外はない。この当たり前といえば当たり前のことが、今ようやく目に見えて動き出した。

 動き出すと、日本は速い。うねりとなって次の時代へとつながっていくに違いない。(土佐・龍馬像を仰ぎつつ)
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