元気印のインテグレータ

<元気印のインテグレータ>第28回 ユニテック(上)

2003/01/20 16:04

週刊BCN 2003年01月20日vol.974掲載

静岡市と清水市の合併

 2003年4月、静岡市と清水市の合併まで、あと3か月足らず。ユニテック(鈴木佐太郎社長)が受注したホストコンピュータの再構築がヤマ場を迎えている。両市の合併が昨年3月末に決定し、実際に作業を始めたのが昨年7月。わずか9か月で、新生・静岡市、約70万人分のデータを旧静岡市のホストをベースに再構築する。

 静岡市のホストは、旧式のバッチ処理機で、清水市のホストは比較的新しいオンライン処理対応だ。この場合、清水市の新しいホストに旧式の静岡市のホストを統合するのが合理的だ。だが実際には、清水市のホストは過年度処理(過去の年度の計算)だけ残し、機能の大半は使わなくなる。

 清水市のホストを担当するNEC関係者は、「理屈が通っていない」と不満を漏らす。本来なら、NECが新生・静岡市のホストを、清水市のホストを活用する形で受注するハズだった。だが、実際には静岡市のホストを受け持つNTTデータなどが受注した。

 理由は3つ。(1)旧式の静岡市のホストを新式の清水市のホストに合わせるのは時間的に間に合わない。旧式のホストにレベルを落とす方が、作業工数が少なくて済む。(2)静岡市のホストは80万人分のデータを処理できるのに対し、清水市は40万人分のデータしか処理できない。

 もちろん、清水市のホストでもCPUなどを増設すれば機能拡張は十分できる。しかし、(3)3つ目の理由として、合併後2年たった05年度を目途に、新生・静岡市は政令指定都市を目指す。政令指定都市になれば、区割り(中央区、港区などの区制)が発生し、ホストの改修が必要になる。あるいは新ホストに移行する可能性もゼロではない。このことから、合併の段階でハードウェアへの投資は極力避けたいという考えがあった。

 ホスト再構築を手がけるのは、「地場のシステムプロバイダが好ましい」という市の意向を踏まえて、地元に本社を構えるユニテックが引き受けた。鈴木社長は、「構築期間が短いなど、リスクは大きい。しかし社員は『ぜひやろう』という意見が大半を占めた」と話す。

 同社の社員は130人。このうち40人を休日返上で新生・静岡市のホスト構築に張り付ける。静岡県内には、ほかにも合併にともなうホスト改修案件が目白押しだ。同社としては、今回の合併で実績をつくり、今後のホスト案件を獲りやすくする戦略的な狙いがある。(安藤章司)
  • 1