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<.NETのエッセンス>第7回 BizTalk Server 2002のススメ

2003/02/17 16:04

週刊BCN 2003年02月17日vol.978掲載

ソリューションを提供する商品に

 2003年2月現在、XMLウェブサービスの主な使用目的は企業内のアプリケーション統合であろう。しかし、現状のXMLウェブサービス“だけ”でアプリケーションを統合しようとした場合は、以下の3つの課題に直面してしまう。

(1)ワーク・フローを表現できない。

(2)メッセージ到達を保障できない。

(3)XMLウェブサービスに対応していないアプリケーションが残っている。

 アプリケーションを統合するためには、これらの課題を解決しなければならない。そして、マイクロソフトのBizTalk Server 2002はこれらの課題に対する簡便な解決手段を提供する。

 BizTalk Server 2002には、オーケストレーションとメッセージングという大きく2つのサービスがある。

 オーケストレーション・サービスを利用すれば、ビジネス・プロセスの定義と自動実行が可能になる。つまり、課題(1)が解決される。

 メッセージング・サービスを利用すれば、確実なメッセージ配送と多様なアプリケーションの接続が可能になる。つまり、課題(2)と(3)が解決される。

 そして、BizTalk Server 2002は、企業間連携のためのサービスも提供する。そう、BizTalk Server 2002を採用するなら、内と外の全ての連携が可能になるのである。

 もちろん、XMLウェブサービス陣営もこれらの課題に取り組んでいる。

 ワークフローはBPEL4WS(Business Process Execution Language for Web Services)やWS-Routing/WS-Referralが、信頼性はReliable Messagingが、XMLウェブサービスへの対応は時間が解決する。

 近い将来、XMLウェブサービスという1つの道具だけで全ての統合が可能になるだろう。

 ということは、近い将来にBizTalk Serverは不要になってしまうのだろうか?

 そんなことはない。XMLウェブサービスは仕様でしかない。何らかの実行基盤が必要なのである。BizTalk Serverはその実行基盤を提供する。

 さらに、マイクロソフトは、BizTalk Serverをソリューションを提供する商品として生まれ変わらせようとしている。BizTalk ServerとCommerce ServerとContent Management Serverを統一すると発表したのだ。この製品はJupiterというコード・ネームで呼ばれる。

 形は変わるかもしれないが、やはりBizTalk Serverは有用なのである。

 なお、発表によれば、メンテナンス契約を結んでいる対象製品のユーザーは自動的にJupiterをフルで取得できるそうだ。ご安心を。

日本ユニシス インテグレーションサービス部 .NETビジネスディベロップメント・尾島良司
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