進化するJ2EE その真髄とは

<進化するJ2EE その真髄とは>12.システムインテグレータを活用しよう

2003/06/30 16:18

週刊BCN 2003年06月30日vol.996掲載

 J2EEでシステムを構築する際、多くの場合システムインテグレータ(SI会社)がプロジェクトに参加する。システム構築全体を丸投げすることもあるし、プログラマーのみを雇う場合もある。システムのデザインに関してコンサルティングを受けることもあれば、ソフトウェア・コンポーネントの単位で開発依頼を行うこともあるだろう。(日本アイ・ビー・エム ソフトウェア事業部 WebSphere営業企画推進 テクノロジー・エバンジェリスト 米持 幸寿)

 J2EEでシステムを構築する際、システムインテグレータをどう選択するか。これは切実な問題だ。J2EEに対してコミットしている、金額が安いといったことだけでJ2EE開発が任せられるか、難しいところである。そこで、J2EE開発におけるシステムインテグレータの活用方法を考えてみよう。

 J2EEでは、非常に多くの知識が必要となる。J2EEのアーキテクチャで使われるサーブレット、JSP、EJB、JMS、JDBCなどのAPIのほか、Java ScriptなどのDynamicHTML技術、ファイアウォールやLDAPなどのセキュリティ知識、リレーショナル・データベースやレガシー・システムなど周辺システムとの統合技術、そして、プロジェクト管理や品質管理などの知識も必要だ。

 これらの知識を1人ひとりのメンバーがすべて少しずつ持ってもプロジェクトはうまくいかない。それぞれの分野でプロフェッショナルが必要だ。そこでシステムインテグレータを活用することになる。

 企業システムの開発、維持、管理には、所有しているすべてのシステム、ネットワーク、データ、アプリケーションなどを把握しておく必要がある。これは所有企業の責任だ。これだけは少なくとも社内に確保したい。いない場合には、長くつきあうベンダーやインテグレータにそういう人材をあてがってもらうという手もある。

 それ以外の部分は外注することでコストを下げることが可能なケースがある。たとえば、必要な期間だけプログラマーを大量に雇うことでコストを抑えられる。J2EEのように業界標準の技術だから、プログラマーを確保するときに当たり外れが少ないのも利点となる。

 プロジェクト管理やソフトウェア品質の管理は、プロフェッショナル・サービスを受けるほうがよい結果が出ることが多い。これは、低価格ならよいというわけでなく、経験と知識がモノをいうエリアなので、慎重にシステムインテグレータを選択する必要があるだろう。少々価格が高くても、信頼できるインテグレータに依頼すべきだ。

 J2EEにコミットするシステムインテグレータにも様々なレベルがあるのが実状だ。

 ウェブ・アプリケーションを作ったことがある、という程度から、メインフレームも含めて大規模インテグレーションまで経験のあるところもある。ベンダー系インテグレータでは、超大規模金融システムまで構築しているところもあり、比較的単価も高い。これらはうまく組み合わせて使うことが望ましい。
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