“一技の長”を探る システム構築ビジネス争奪戦

<“一技の長”を探る>15.NECソフト

2003/07/28 20:43

週刊BCN 2003年07月28日vol.1000掲載

 NECソフト(関隆明社長)が、マイクロソフトの.NETフレームワーク対応業務アプリケーションソフトの品揃え強化に力を入れている。

.NET対応アプリを大幅拡充

 すでに、ソフト開発のソフトクリエイトやグレープシティ、アクシスソフトなど5社と提携して.NET対応ソフト製品の品揃えを増やした。今年度(2004年3月期)末までに新たに5社程度と提携し、計10社に提携先を増やす。提携先を増やすことで、.NET対応アプリの品揃えと、システム構築の短期化を目指す。

 同社は、「ビジネスフェデレーション」の名称で、.NETフレームワークを基盤としたシステムインテグレーション(SI)サービスを、今年3月から開始。「ビジネスフェデレーション」とは“ビジネス上の連合”という意味で、NECソフトが中核としない、幅広い分野から.NETフレームワーク対応のソフトウェアを集積。.NETを切り口として、顧客企業に対する問題解決力の向上に努める。

 すでに提携を済ませているソフトクリエイトは、主力のEC(電子商取引)ソフト、グレープシティは.NET対応の開発ツールなどをNECソフトに提供している。こうして集めた.NET対応ソフトは、NECソフトが手掛ける案件のなかで随時活用する。採用した他社製品はNECソフトが評価・検証し、顧客企業へ納入する。

 NECソフトの森本正好・IAサーバソリューション事業部長は、「.NETで組むシステムは、Javaで組むシステムに比べて安い。このため、社内でゼロからソフトを開発していては価格的に折り合わない。時間もかかる。そうした理由から、今後も自社・他社を問わず、良い.NET対応アプリケーションがあり次第、業務提携を結び、当社のシステム構築案件に組み入れる方針」と話す。

 NECソフトは、.NETとJavaの両方のプラットフォームを主軸にしているものの、Java系のシステムは、案件が大きいこともあり、親会社のNECからおりてくる仕事の比率が高い。これに対してIAサーバソリューション事業部の案件は、NECの営業マンと共同で獲得した案件、あるいは独自の販路で開拓した案件の比率が多い。

 「.NETを支えるウィンドウズサーバー2003も登場し、基幹系システムにウィンドウズを導入しようとする企業顧客からの引き合いも多い。これら追い風となる要素を最大限に活用し、当事業部で前年度比30%増の成長率を目指す」と話す。(安藤章司)
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