立ち上がるグローバルサプライチェーン ロゼッタネットの衝撃

<立ち上がるグローバルサプライチェーン ロゼッタネットの衝撃>27.クロスボーダーVMI WG(下)成果と今後の予定

2004/03/08 16:18

週刊BCN 2004年03月08日vol.1030掲載

 国際VMI(Vendor Managed Inventory)モデルの「共通シナリオ」作成に際して、当WGは以下のようなアプローチを採った。

直感的な理解を助け議論の対象を共通にイメージできるよう「概念図」を描画

概念図から詳細なシナリオを抽出し、表計算シート上で「ワークフロー」を作成

 1.プレイヤー(役割・ロール)を横軸に配置。プロセス(手続き)を時系列で縦軸に配置
 2.プレイヤー間の商流(情報流)を線で描画。その際、次のプロセスへ移行するためのトリガーや必要なドキュメントを特定。同時に物流も別な線で描画
各ドキュメントの必須項目の洗い出し

既存PIP内のプロセスおよびデータ項目を確認し、ドキュメントとのマッピング。もし該当するPIPがなければ新規作成を試みる

 ドキュメントについては、例えば“インボイス”を1つとっても、その正式名称や正確な使い方は各社ごと・使用場面ごとに細かい違いがあり、共通化が予想以上に困難だった。また、1つの物流企業が複数のロールを内包していることが多く、どのような機能単位で分けるべきかについて、難しい判断が必要なこともあった。3月初めの時点では、「国内保税VMIモデル」についてはの作業が進行中である。また、他の主要なシナリオ、例えば「国外保税VMIモデル」や「オフショア・ドロップシップ・モデル」などについては、並行してワークフロー化を進めている。

 今後、この半年のWG活動で得られた知見を詳細にホワイトペーパー(白書)にまとめ、一般向けに公開したいと考えている。一方、向こう半年以内を目処に複数メンバー企業の調達コミュニティで、PIPを使った実装を開始し、導入効果の測定・検証を行なう予定である。さらに、買掛・売掛情報に対応する送金・入金通知の自動突合や、代金回収の迅速化など金流に関する議論にも焦点を当てていくつもりである。

 最後に、このWGでは、引き続きクロスボーダーVMI運用に興味や課題を持ち、また実例やノウハウをご紹介いただける企業をメンバーとして募集している。ご興味のある方は、下記にご一報いただければ幸いである。(インテル ロゼッタネットジャパン クロスボーダーVMI WG主査 木村 一仁)

ロゼッタネットジャパン事務局(e-mail:rnj-contact@rosettanet.gr.jp、URL:http://www.rosettanet.gr.jp/、電話番号:03-5245-1079)

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