大遊泳時代

<大遊泳時代>第10回 e─Japanの促進は射倖心

2004/03/08 16:18

週刊BCN 2004年03月08日vol.1030掲載

松下電器産業 役員

 今年正月、私の友人の息子の嫁が宝くじの前後賞で5000万円当たった。いやー、おめでとう。家でもリフォームしたら…、いやそれが別世帯でね…の話から、やはり宝くじの人気はすごいということを知った。また、お受験、お入学でねじりハチマキの奥さんに聞くと、進学塾でも勉強の進度・テスト答案にかなりの特典をつけるという。しかもポイント制である。

 そしてPanasonic hi-hoをみると、ビンゴゲームをしているので、おいおいどうかと聞くと、2001年よりスタートして3年経過。当初はスピード感、面白さがついてこず苦心したが、今はアクティブ数も十数万と人気コンテンツらしい。はまりこんだ人のリピート率は高く、NET広告も効果大とのこと。景品もプラズマTVから旅行券まで豪華である。やはり人間は射倖心が不可欠。マズローの法則のどこに当るかわからないが「はまりこむ」というのはすごいものです。

 ということでお国の宝くじもNETでやればどうかなと思った。もちろん既得権益、既存ルートなどややこしいことは多いが、店頭販売とNETの共存など解決すれば面白いではないか。そして何よりもe─Japanにのせればどうか。インフラの山の前に、実証実験の疲れの後に、とっつきやすく人間の心理本能をくすぐるところから入ってはどうかな。行政の素人が思いつきをと、お小言を頂戴しそうですが。

 「国連調べ 世界18位 電子政府なぜ出遅れ?」という新聞記事を見て、全体構想推進の司令塔不在、自治体間の不整合、利用者の視点あとまわしなどの理由を並べたとしても同じこと。要は国民ユーザーが入りやすい入り口をつくることだ。「ワトソン君! その昔、VHSビデオはアダルトの占有率が高くて普及率で勝ったね! e─Japanはトバクではどうかね」。答えて曰く、「先ず石原さんと太田さんに勧められては!」。
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