IT Stock Frontline

ソフトバンクが活況、日経平均に採用

2004/09/20 16:04

週刊BCN 2004年09月20日vol.1056掲載

固定電話サービスに注目

 ソフトバンクが10月1日から日経平均の構成銘柄に新規採用される。日経平均(マスコミによっては東証平均という表現も)は最もポピュラーな株価指数で、産業界から代表的な225社を選び、それらの株価をベースに指数を計算している。構成銘柄は原則年に1回、数銘柄ずつ入れ替えられているが、いわゆるオールドエコノミー企業のウエートが依然として高く、産業構造の変化には十分に対応できていない。今回の採用はソフトバンクのほか、電通、日本ハム。逆に除外されたのはメルシャン、日本車両、不二越で、顔ぶれは緩やかながら変化している。

 ネット関連の代表企業であるソフトバンクは昨年も採用の有力候補になった。今回は「やっと採用か」という受け止め方が株式市場では多い。ソフトバンクの株価は8月4日の3560円から9月に入って5000円近くまで上昇したが、日経平均採用への期待が背景にあったようだ。

 採用発表の翌日には売買代金が東証1部のトップとなる人気となった。日経平均に連動した運用を目指すインデックス型ファンドの買い、それを先回りした買いが10月1日にかけて流入するとみられ、株価は再び上昇をたどりそうだ。

 また、ソフトバンクのこの先の株価を見るうえでは、固定電話サービスを巡る動きも注目される。ソフトバンクは7月に買収した日本テレコムを通じて、12月から固定電話サービスを始めることを明らかにしている。基本料金はNTT東西地域会社に比べて約200円安いという。ところが、KDDIはNTTより250円安い月額1500円程度の基本料金で固定電話サービスを開始する計画。通話料金は距離に関係なく一律3分20円程度にする方針という。今後は競争激化が予想され、ソフトバンクの目算通りに事が進むかどうか不透明な部分がある。(有賀勝久)
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