フレッシュマンセミナー ITの常識

<フレッシュマンセミナー ITの常識>3.デジカメ市場、2極分化へ

2005/04/18 16:04

週刊BCN 2005年04月18日vol.1085掲載

 これまで“新3種の神器”の1つと言われてきたデジタルカメラだが、ここへきて市場の様子が少し変わってきたようだ。

 ここ数年、前年比50%以上の出荷の伸びを誇っていたが(カメラ映像機器工業会調べ)、昨年あたりから出荷の伸び率にかつての勢いが見られなくなったのだ。それでも、まだ前年比20%以上の伸びであり、特に輸出が好調というから、うらやましく思える他業種企業もあるにちがいない。

 こうしたなか、デジカメユーザーのニーズも変化しつつある。これまでデジカメの販売で市場を引っ張ってきたのが、価格が3万円前後のコンパクト型デジカメだった。だが、BCNランキングによると、ここへきて15万円を超えるレンズ交換式一眼レフデジカメが伸びている。この辺の機種は、画素数が500-700万画素、中には1000万画素を超えるものもあり、もはやプロ機に近い。

 また一方で、薄型・軽量でしかもハイスペックのコンパクト型も売れ筋で、画素数だけをみればこの手の機種も700万画素クラス、なかには高級機に近いものもある。ただ一眼レフデジカメはレンズに関わる技術が伴う。そのため、キヤノンやニコンなどの銀塩カメラメーカーに歩があるという見方もあるようだ。

 いずれにしても、デジカメやカメラ機能付き携帯電話の普及が、ユーザーが写真を撮る機会を増やしたことは事実である。撮影したその場で画像を確認でき、不要な画像は消去して新たな工夫で再び撮り直したり、逆光でもきちんと撮影できるなど、従来の銀塩カメラにはない機能などは、間違いなくアマチュアの写真撮影技術の向上に寄与してきた。

 こうしてレベルアップしてきた層が徐々に膨らみ、高級機志向になっている部分もある。いまデジカメ市場は、コンパクト型と一眼レフ型の2極分化がますます明確化する様相を呈してきた。(真実井宣崇)
  • 1