IT Stock Frontline

ソフトバンク、株価倍増へ 携帯への参入認可、黒字も評価

2006/01/16 16:04

週刊BCN 2006年01月16日vol.1121掲載

光通信も5年ぶりに株価1万円台を回復

 活況が続く株式市場で昨年末から人気を集めているのがソフトバンク。株価は11月の7000円台から12月には1万3000円台に上昇。1月4日割当で1対3の株式分割を実施した後には5000円台に上昇しており、実質2倍超になったことになる。

 携帯電話事業への参入が総務省から認可されたほか、06年3月期決算が5年ぶりに黒字転換する見通しとなったことが株価上昇のきっかけ。ADSL事業の戦略を転換、利益重視の姿勢を打ち出したほか、米ヤフー株など海外グループ会社の保有株を売却、携帯電話事業参入に備えて体力を高めている。もともと個人投資家には絶大な人気を誇るソフトバンクだが、黒字転換見通し、財務面での懸念後退となったことで機関投資家の買いも流入している。

 また、ソフトバンクはヤフーとスポーツや映画などの動画番組をパソコン向けにインターネット配信する新会社「TVバンク」を共同出資で設立したことも話題。本放送は3月からだが、「TVバンク」の登場によって一気にブロードバンド放送の普及が進む可能性が高まっている。

 このソフトバンク、ヤフーとともに2000年のITバブル時に人気化した光通信、トランスコスモスなども支持をえた。5年ぶりに株価1万円台を回復した光通信だが、現在は法人向け事務機販売が主力と事業内容は変化、業績が好調なことも株価にプラスになった。

 一方、ハイテク株は明暗分かれる展開。業績悪化の三洋電機は米ゴールドマンサックスなどに総額3000億円の第三者割当増資を実施すると昨年末に発表。今後の再建を期待する買いに株価は急騰した。対照的に株価が急落したのがTDK、アルプス電気。米国の大手HDD(ハードディスク駆動装置)メーカーが同業を買収したことで納入金額が大幅に減る可能性が出たことを嫌気した。(有賀勝久)
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