日米のハイテク株に好材料

 5月以降、世界的な株価下落が進んだ。スタグフレーション(景気後退下のインフレ)が懸念される米国経済の変調が要因だが、震源地である米国よりも他の国の株価下落が大きいのが特徴。6月14日までの1か月間で株価がどのくらい下落したかを時価総額の減少率で見ると、米国の6.3%に対して日本は17.3%、ドイツ13.8%、英国16.6%。また、インド32.6%、ロシア22.0%など新興国の下落が目立つのも特徴。つまり、日本をはじめ、昨年株価の上昇が大きかった国ほど売りが出たことになる。

 そうした世界的な株安にも歯止めがかかってきた。米国の金融政策を決める6月末のFOMC(連邦公開市場委員会)を前にバーナンキFRB(米連邦準備理事会)議長が、インフレの一因である「エネルギー価格上昇の影響は管理が可能」と発言したことを受けて米国市場が落ち着きを取り戻してきたためだ。日本の場合、企業収益が好調なほか、PER(株価収益率)が17倍台と世界的にも割安な水準まで下落してきたことで、株価底入れムードが台頭している。

 日米のハイテク株にプラス材料が浮上してきたことも注目される。5月の米国における半導体BBレシオ(出荷額に対する受注額の割合)は1.12倍と4月の1.11倍から改善、2004年4月以来の水準まで回復してきた。さらに、米国株式市場では大手証券がインテルやAMDなどパソコン用MPUメーカーの投資判断を引き上げるなど関連株を見直す動きが出ている。

 日本の半導体関連としては製造装置メーカーとして、ニコン、アドバンテスト、東京エレクトロンなどに収益増額期待があり、株価の戻りが予想される。半導体メーカーでは東芝の株価修復が目立つ。携帯音楽プレーヤーなどに使用されるフラッシュメモリで圧倒的シェアを誇り、業績拡大に向かうことが株価を支えている。(有賀勝久)