「リモート分散開発」

井手祥司社長

 組み込みソフト事業が好調だ。当社の連結売上高に占める組み込みソフト事業の比率は5割あまりだが、営業利益ベースでの比率は7割強を占める。今年度(2007年3月期)もこの傾向が続く見通し。ドライバーソフトやOS、ハードウェアに近いミドルウェアの高度な開発力が収益を生みだす原動力になっている。

 しかし、開発リソースの振り分けが思うようにできない課題もある。当社では電子回路や計測・制御などハードメーカーの製品に精通した熟練技術者が顧客に張りついて組み込みソフトを開発する。それだけに付加価値は高い。だが人的リソースに限りがあり、地域拠点に十分な人数が配置できないジレンマを抱える。

 拠点数もむやみに増やせない。90年代初めまでは開発拠点を全国に30か所ほど抱えていたが、バブル後の不況で数を絞った。今もコストとの兼ね合いで以前ほどは増やせない。そこで今年力を入れるのが「リモート分散開発」の体制強化だ。

 中核となる開発拠点を指定し、全国に散らばる地域の開発拠点をネットワークで結んで開発を進める。従来からの顧客に張りついて開発するスタイルは変えないが、バックヤードに相当する中核開発拠点を整備することで開発能力を飛躍的に高める。

 この施策を推進するための技術的裏付けやセキュリティ強化などの研究投資を増やす。利益を圧迫するが、先手を打って戦略的な投資を行うことで、将来にわたって高い競争力を培っていく考えだ。