通い詰めて販売権を獲得

 ジョルダン(佐藤俊和社長)は、昨年、メディア事業部で新たにDVDなどを手がけるプロジェクトを社長直轄で立ち上げ、今年3月19日に、3DCGアニメーション「アニミュージック2」を発売した。佐藤社長が米国で同作品を見て心打たれたことが、日本でも販売したきっかけだ。だが、販売権の獲得は一筋縄ではいかなかった。

 「アニミュージック」シリーズは米国の開発元である、アニミュージック社のウェインライトル氏を中心とし、開発ツールから開発を始め、20年もの歳月を要したものだ。

 パトリック Y. キム・メディア事業部リーダーは、販売権獲得を目指し、米アニミュージック社に対し、「ビジネス提案書を3-4回は送った」と話す。だが、なかなか相手にしてもらえなかった。日本国内では、ジョルダン以外にもアニミュージックに目をつけ、販売権を得ようと交渉をもちかけた競合企業がいくつもあった。

 どうしても話を聞いてもらいたいと、米国の自宅近くまで訪ねて行ったこともあるそうだ。「彼らは自分たちの作った作品に誇りを持っている」。それはジョルダンも同じで、自社の「乗換案内」のメンテナンスを地道に行い、ソフトに誇りを持っているところは相通じるものがある。

 はじめこそ門前払いを食らっていたものの、日本国民にこの作品を見せたいという熱意が通じ、アニミュージック社と契約を結ぶことができた。「彼らは日本国内での『見せ方』を気にしていた」ため、大画面を使ったプロモーションの仕方なども提案するようになっていたという。

 現在DVDのプロジェクトには5人メンバーがいる。入社して間もない新人ばかりをキム氏はまとめている。「社会人として成長過程にある彼らは、そのぶん発想が非常に斬新」とキム氏は評価する。

 メンバー間では主に販促や販路開拓のアイデアが出されたが、プロモーションでは、各種メディアへの露出のほか、CG(コンピュータ・グラフィックス)系の専門学校でのデモンストレーションなども新しく考え実施した。

 「乗換案内はデバッグ、メンテナンスを地道に行い、この分野では負けないというプライドをもってきた。アニミュージックでも同様の考えだ。子どもから大人、お年寄りにいたるまで、幅広い年齢層にこの作品を見てほしい」キム氏は意気込む。

 同社はこの作品で、10万本の販売目標を掲げている。(鍋島蓉子●取材/文)