課題は液晶テレビ部門

 決算発表がピークを迎えるなか、予想以上の数字を発表して株価が急騰したのがソニーだ。発表翌日の5月15日、株価は制限値幅いっぱいまで上昇(前日比500円高の5350円)する場面があった。3月の安値3910円からは40%近い上昇だ。松下電器産業に続く電機大手のサプライズが株式市場全体のムードを明るくしている。

 ソニーの2008年3月期は営業利益が3744億円(前々期比5.2倍)と史上2番目の高水準に回復。純利益は過去最高となり、電機業界ではトップの座についた。

 売上高構成比で75%を占める主力のエレクトロニクス分野が売上高、営業利益ともに過去最高。パソコン「VAIO」やデジカメ「サイバーショット」などが寄与し、営業利益は全社の95%に相当する3560億円(前々期比2.2倍)に拡大。課題だったゲーム分野では、「プレイステーション3」の大幅増収やコスト削減などで、営業損失は1245億円(前々期は2323億円の損失)に縮小した。

 09年3月期は、売上高が9兆円(前期比1%増)、営業利益は4500億円(同20%増)、純利益は2900億円(同22%減)の見通し。営業利益ではエレクトロニクス分野の減益を「ゲーム分野の黒字化と金融分野の大幅改善」(大根田伸行CFO)が寄与する模様で、大幅増益を目指す。配当は年間50円(前期は25円)と倍増することも株価にはプラスとなった。

 課題はゲームとともに「双子の赤字」と揶揄(やゆ)されていたテレビで、前期は730億円の赤字となった。液晶テレビ「BRAVIA」の今期の販売台数計画は1700万台(前期は1060万台)と強気。シャーシを減らし、低位モデルには廉価な標準パネルを使用するなど、大幅なコストダウンを図るとともに製品ラインアップを広げたい考えで、どこまで採算が改善されるかが注目される。(有賀勝久)