新興市場に不信感芽生える?

 ビックカメラが6月10日、東証1部に上場した。ジャスダック市場には上場したままなので、2つの市場で株式売買が可能になる。通常、ジャスダック企業が東証に上場する場合、ジャスダック売買は廃止するのがほとんど。2市場に並行して上場するのはレアケースだが、その前例にヤフーがある。ヤフーは「ジャスダックには成長企業が多い印象が強い」ことを理由としているが、東証には特定株主の比率が一定以上になると上場廃止になるというルールがあり、ソフトバンクや米国ヤフーの持ち株比率が極端に高いヤフーはそれを懸念しているとの観測がある。また、ジャスダックの目玉的存在であるヤフーに去られると市場イメージがダウンするという事情も作用しているようだ。

 ビックカメラは東証上場に際して公募増資を行ったため、需給悪化懸念から株価は軟調に推移している。一方、6月16日に東証マザーズから東証1部に市場が変更となったソースネクストは発表翌日から株価が急騰した。時価総額が140億円台と比較的小さい(ビックカメラは約1200億円)という意外性や公募増資を行わないことが人気につながった。また、東証1部に上場するとTOPIX(東証株価指数)連動の運用成果を目指すファンドの買い付けが見込まれることもプラス要因となった。

 新興市場を巣立っていく企業がある一方で、IPO(株式新規公開)激減、上場廃止などで新興市場に上場している企業は約1370社と、昨年末に比べて約30社減となっている。また、ジャスダックは大証のTOB(株式公開買い付け)を受け入れ、2010年にも大証ヘラクレスと統合される見通し。不祥事を起こす企業が目立ってイメージが悪く、取引所間のゴタゴタがある新興市場から早く卒業したいと思う企業が増えるかもしれない。(有賀勝久)