13.今回のテーマ■eラーニング(下)

 韓国では2004年1月に「eラーニング産業発展法」が制定され、公共機関のeラーニング導入が義務づけられている。その関連団体である「韓国eラーニング産業協会」は「eラーニング認証事業」も展開している。eラーニング企業として備えるべき基本事項を審査し認証マークを発行することで、eラーニングを導入する企業などには客観的な選択の根拠を提供し、またeラーニング事業者は認証を得ることでマーケティングのきっかけをつくることになる。認証事業は政府のeラーニング統合品質認証事業に拡大される予定である。

 さらに、08年にはeラーニングを導入しようとする中小企業7社を選定し、コンサルティングやシステム構築費を支援している。システム構築はeラーニング認証を受けた企業に任せている。政府と協会が一緒にeラーニングの需要も掘り起こし、供給とつなげることで産業を活性化させようと努力している。

 教育熱が高い韓国では、家計消費に占める教育費の負担が大きすぎるのが問題になっている。政府は受験生を抱える家庭の「教育費負担」を抑えるために、eラーニングを使った大学受験勉強を推奨している。このように、需要の高い大学受験からeラーニングを使わせることで、社会的関心を高めることに成功した。政府は教育放送EBSの全講義をインターネットからビデオオンデマンドで利用できるようにし、教育放送の内容から大学入試問題を出すとまで発表した。地方と都市部の教育水準の格差、所得水準による教育の格差をなくすための処置でもある。地方自治体のなかには住民サービスの一環として、ソウルで有名な予備校講師の講義動画を自治体のWebサイトやIPTVを利用して無料で提供するところもある。リアルタイムで映像を観ながら講義を受け、インターネット経由で質問もできるeラーニングも、塾や予備校が少ない山間・離島地域の中高校生には人気が高い。

 韓国政府は、情報化やブロードバンドインフラの構築と同時に、eラーニングの導入・普及にも90年代から力を入れてきた。国際交流や技術の輸出も積極的に行っていて、07年に第1回ユネスコ教育情報化賞を受賞している。韓国のeラーニング産業はシステムや技術開発から、仮想現実コンテンツ開発、デバイス開発へなど、範囲が広がりつつある。(趙 章恩●取材/文)