年頭所感

【2009年 年頭所感】 IT企業トップの「決意」と「実行計画」 DTS

2009/01/05 20:37

週刊BCN 2009年01月05日vol.1266掲載

実力を養う

赤羽根靖隆 社長


 景況感の変化がほぼ同時に伝わってきた。ITバブルや土地バブルが弾けたときは、しばらく経って情報サービスに影響が及んだが、今回は違う。当社に限って言えば、中長期の投資計画に基づく比較的大規模なソフト開発や、現在稼働中の基幹システムの維持運営の仕事が多く、売上高ベースでは前年度比微増で推移。ただ、利益ベースでは単価改善幅の鈍化などで伸び悩んでいるのが実情だ。

 今年度(09年3月期)は中期経営計画の初年度に当たるが、売り上げなどの定量的な面では“残念”と言わざるを得ない。しかし、企業体質やSIerとしての地位向上といった定性部分は着実に進捗している。とりわけ、プロジェクトマネージャー(PM)クラスの人材育成では、社内認定制度を充実させてきた。ここ4~5年間で400人余りのPM相当の人材を育てた成果もあり、元請け受注したSI案件の比率が増加。今年度中間期で前年同期より10ポイント向上した。

 また、コンサルティング部門を立ち上げ、経営課題の分析からITシステムの開発、アウトソーシングまでワンストップで請け負える体制を大幅に強化。技術やサービスなどのSIerとしての“実力”を正当に評価してもらえるよう、ビジネスモデル変革に取り組む。“人月”ベースで労働力を売り買いするような業界の商慣習にはとても不満だ。今の不況下で定量的な拡大は難しくても、実力を養う定性面は大いに伸ばす。
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